烏よ、最後に ページ40
梟谷と最後の試合をし、片付けをした後──。
猫又｢一週間の合宿、お疲れ諸君！｣
猫又がオフンッ、と一つ咳ばらいをして言う。
パラパラと｢お疲れ様でしたっ！｣と返事が返る。
ＢＢＱ会場には、パチパチと油が跳ねる音と肉の良い匂いが漂っている。
ギュルル、と誰かの腹が大きく鳴った。
猫又｢空腹にこそウマイものは微笑む。──存分に、筋肉を修復しなさい｣
猫又が微笑むと同時に、｢いただきますっ！｣と中庭に元気の良い声が響いた。
日向が頬をパンパンにしておにぎりを食べ、影山が喉にものを詰まらせる。
苦しげに胸の辺りをドンドンと叩く影山に、赤葦が飲み物を差し出した。
選手らは思い思いにＢＢＱを楽しんでいる。
──最終日の昼食。
ちなみに、このＢＢＱは監督達のオゴリである。
谷知｢あ……、｣
高身長の選手らに阻まれ、小柄な谷知は戸惑っている。
これでは何も食べられないまま終わってしまうのではないだろうか。
その様子をたまたま見ていたAが谷知の分のご飯を取り、渡す。
『はい、谷知さん。足りなかったらまた取って来てあげるから、遠慮しないでね』
Aが少し膝を折り曲げ、出来るだけ谷知の目線に合わせるように笑う。
谷知は｢シャ、シャチ！｣とよく分からない返事を返して皿を受けとった。
──実を言うと、Aも背が低い部類の為、取りにくいことこの上ないのだが。
雀田｢うっわ、今の見た？ あの素晴らしき気遣い！｣
ベンチで雀田が興奮したように頬を上気させる。
その視線の先にはA。
ドライな彼女には少々珍しい反応だ。
清水｢Aは……、あんまり狙わない方がいいかも。ファンだけじゃなくて、ストーカーも付いてた時期あったから｣
あはは、と清水が苦笑いする。
その控えめな笑顔に、遠巻きに清水を見ていた男子数人が顔を赤くさせた。
宮ノ下｢本当にストーカーなんて居るんですね……。じゃあ、赤葦君は？ 結構イイ線行くと思うんですけど｣
綺麗な黒髪を二つに下で結んだ宮ノ下が言う。
その宮ノ下の問いに、白福がのんびりとおにぎりを頬張りながら答えた。
白福｢ウチの赤葦はー、単体ならいいんだけど絶対木兎付いて来るしぃ。女子力高すぎて自信なくすー｣
──マネージャー達はマネージャーで、このＢＢＱを楽しんでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅嵐(プロフ) - 孤爪が狐爪になってますよー。 (2020年5月30日 8時) (
レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - テトさん» 分かりました！ 頑張って会話、増やして行きます。更新は暇なときは異常に頻度が高いのでご安心を。 (2019年9月9日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
テト - この作品とっても面白くて好きです。更新楽しみにしてます！武田先生と烏養さんとの会話増やして欲しいです！あと、松川さんと花巻さんと会話してほしいです！菅原さん推しです。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: eecfed04fa (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - やった、及川さん推しが居ましたー！ 夏葵さん、カミューさん、コメントありがとうございます。 (2019年9月7日 18時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
夏葵 - とても楽しく読ませてもらってます！及川さん推しです！ (2019年9月7日 18時) (レス) id: 668af22414 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よもぎ餅のわらび | 作成日時：2019年8月24日 17時
