烏よ、歯車は ページ37
──やんねーの?
普通の速攻には、明らかに早すぎるタイミングで飛び出した日向が言う。
烏野8点、梟谷10点。
影山がその存在感に引っ張られるように目を向けた。
Aがゾクリと肌を粟立てた瞬間、影山のトスが上がった。
ちょうど、日向の最高打点。
そこでボールは勢いをなくし、スルリと止まる。
日向「っ!」
日向がボールを叩く。
自分の意思で、コースを決めて。
赤葦「……え」
日向のブロックに付いていた赤葦が声を漏らした。
影山「──っ!」
影山が頬を上気させ、日向を振り向く。
影山「──ってふざけんな! やるなら先に言っとけ!」
日向「だって今、「イケる」って感じしたろ!? したろ!?」
影山と日向が興奮気味に叫ぶ。
ベンチでその様子を見守っていた武田がポロリと言う。
──歯車、1つ目。
ババンッと影山がレシーブする。
これで影山はトスを上げることが出来ない。
西谷が飛び出し、アタックライン前で横に跳んだ。
ポコッとおかしな音を立ててトスが上がる。
上がった先にはA。
リベロからのトス、エースのバックアタックだ。
西谷「あっ!」
西谷が声を上げる。
トスはAの利き腕より少し左に流れ、空振りしそうになっていた。
『──……』
Aが後ろに引く手を左に変える。
田中「んっ、お?」
田中がおかしな声を上げる。
Aに付いていたブロックも驚きで目を見開いている。
Aが
少々コースは甘いが、慣れない左回転のスパイクに小見がボールをはじき飛ばした。
西谷「……今の何ですかっ!? 左で打ってましたよね!」
『俺、そもそも両利きのスパイカーだから』
詰め寄る西谷を遠ざけるようにAが両手を上げる。
が、どうにもそれは小さい子を宥めているようにしか見えない。
小見「マジかよ……」
Aのスパイクを取り損ねた小見が驚いたように呟く。
猿杙「これで実力的には、木兎と互角くらいじゃねぇの?」
木兎「ハァ!? ……絶対俺が勝ぁーつ!」
木兎がやかましく、Aを睨んで叫んだ。
273人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅嵐(プロフ) - 孤爪が狐爪になってますよー。 (2020年5月30日 8時) (レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - テトさん» 分かりました! 頑張って会話、増やして行きます。更新は暇なときは異常に頻度が高いのでご安心を。 (2019年9月9日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
テト - この作品とっても面白くて好きです。更新楽しみにしてます!武田先生と烏養さんとの会話増やして欲しいです!あと、松川さんと花巻さんと会話してほしいです!菅原さん推しです。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: eecfed04fa (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - やった、及川さん推しが居ましたー! 夏葵さん、カミューさん、コメントありがとうございます。 (2019年9月7日 18時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
夏葵 - とても楽しく読ませてもらってます!及川さん推しです! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 668af22414 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よもぎ餅のわらび | 作成日時:2019年8月24日 17時