烏よ、歯車は ページ36
影山「Aさん、ナイッサー!」
梟谷との試合。
Aがダンダンッとボールを床で突く。
Aはスウッと息を吸い、高くサーブトスを上げた。
──そして、飛ぶ。
この時だけは重力から逃れられる。
体がフワリと浮いた所で手の平でボールを勢い良く叩く。
ボールは加速してAと一緒に自主練をした一人、木葉に向かっていく。
木葉「っ! 悪い、カバー!」
木葉がレシーブを乱し、赤葦が動く。
赤葦「──木兎さん!」
赤葦が高くアンダーでトスを上げ、木兎が飛び込む。
ドッ、とボールの芯を捉えた音を立ててスパイクが打ち込まれる。
それは3枚ブロックの内側──、インナーと言われる所に突き刺さった。
『わ、すげーインナー』
Aが思わずといったように感嘆の声を漏らす。
黒尾「……どうしたんだ研磨?」
烏野対梟谷の試合を休憩がてら、珍しく見ていた狐爪に黒尾が問い掛ける。
狐爪「Aさんと木兎さんって……なんか、同種だよね」
狐爪が若干目を遠くしながら言う。
狐爪の言葉を遠くから聞いていた夜久が「ブフッ、」と吹き出した。
黒尾「も、猛禽類って事か……っ?」
黒尾が腹がよじれる程の笑いに涙を浮かべながら言う。
今、黒尾の頭には「ヘイヘイヘーイ!」という猛禽類の叫び声が再生されている。
狐爪「そんな訳ないでしょ。プレースタイルの事」
狐爪が黒尾を睨みつけて言う。
黒尾「……で? Aと木兎のプレースタイルのどこが一緒なんだ?」
黒尾の笑いがようやく収まり、狐爪に問い返す。
が、変な刺激を与えれば一瞬で笑い上戸と化しそうなので、狐爪は慎重に言葉を選びながら言う。
狐爪「何て言うか、スパイクの質がほぼ一緒なんだよね。打てるコースとかさ」
夜久「……そう言われればそうだなぁ」
会話に入って来た夜久がウンウンと深く相槌を打つ。
狐爪曰く、スパイクの質は早くて重め。
木兎の頭が冷えていれば、プレー中の冷静さは互角。
インナーは木兎の方が優れてはいるが、スパイクの足の長さを調節するのはAに軍配が上がるとのこと。
黒尾「つまり、実力としてはまったくの互角ってことか」
狐爪「試合の流れを持って行くのは、木兎さんの方が凄いけどね」
日向達が新速攻を成功させた所で、狐爪達は休憩を切り上げた。
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紅嵐(プロフ) - 孤爪が狐爪になってますよー。 (2020年5月30日 8時) (レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - テトさん» 分かりました! 頑張って会話、増やして行きます。更新は暇なときは異常に頻度が高いのでご安心を。 (2019年9月9日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
テト - この作品とっても面白くて好きです。更新楽しみにしてます!武田先生と烏養さんとの会話増やして欲しいです!あと、松川さんと花巻さんと会話してほしいです!菅原さん推しです。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: eecfed04fa (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - やった、及川さん推しが居ましたー! 夏葵さん、カミューさん、コメントありがとうございます。 (2019年9月7日 18時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
夏葵 - とても楽しく読ませてもらってます!及川さん推しです! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 668af22414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎ餅のわらび | 作成日時:2019年8月24日 17時