烏よ、群れと ページ29
──やっぱり。
夜久｢すまん、カバー！｣
レシーブしたはずのボールはあらぬ方向へと飛んでいく。
それをギリギリで木葉が繋いだ。
そのまま向こうへと返り、ダイレクトで殴られる。
Aチーム１３点、Bチーム１１点。
夜久｢やっぱスゲーな。A君｣
額から落ちて来る汗を見つめながら、ポロリと思わず零す。
菅原｢いざ敵にしてみると、とんでもなく厄介だべ……｣
菅原君が顔を引き攣らせながら言った。
木葉やリエーフも顔を歪めながらウンウンと頷く。
──ブロックをかいくぐるスパイク。
それには十分過ぎる程の速さと重さがあって。
仮にブロックに当たったとしても、絶妙に軌道を変えてレシーブしにくくなる。
もはや、自分で計算して当てているのかと疑う程だ。
木葉｢つーかこっち、セッター居るのに負けてるとか……｣
木葉が得点板を見ながらため息をつく。
そう、向こうにはセッターが居ない。
一応縁下君をセッターに決めているみたいだが、やはり専門ではないので上手いとは言えない。
なのにハイセットだけで、だいぶ点を取られた。
夜久｢A君、全国行ったことないって嘘じゃねーの……？｣
A君程の技術があれば、全国なんて当たり前のように行けると思う。
菅原｢A、２回も故障してるからさ。なんつーか運がないというか｣
あはは、と菅原君が苦笑いしながら言う。
その顔にはあまりいい気持ちはしていないと書いてあった。
ハッと気付いた。
これじゃまるで、A君以外の人が弱いせいだと言ってるみたいじゃないか。
ザァッと全身から血の気が引いたような気がした。
夜久｢す、菅原君……っ、ごめ｣
菅原｢いいよ、大丈夫。夜久君がそんな気持ちで言ったんじゃない、って分かってるから｣
俺の言葉を遮って菅原君が言った。
笑っているけど、その顔には苦々しさがあって。
だけどこれ以上謝るのも何か違う気がした。
ギリ、と俺は痛いくらいに唇を噛み締めて押し黙った。
灰羽｢ちょっと夜久さんと菅原さーん。話しすぎですよー？｣
リエーフの言葉に簡単に謝ってサーブに備える。
雀田｢すみません、そろそろ終わらないと夕食……｣
｢｢｢あっ｣｣｣
合宿中、夕食抜きは死に等しい。
俺達は慌てて体育館を片付け始めた。
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紅嵐(プロフ) - 孤爪が狐爪になってますよー。 (2020年5月30日 8時) (
レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - テトさん» 分かりました！ 頑張って会話、増やして行きます。更新は暇なときは異常に頻度が高いのでご安心を。 (2019年9月9日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
テト - この作品とっても面白くて好きです。更新楽しみにしてます！武田先生と烏養さんとの会話増やして欲しいです！あと、松川さんと花巻さんと会話してほしいです！菅原さん推しです。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: eecfed04fa (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - やった、及川さん推しが居ましたー！ 夏葵さん、カミューさん、コメントありがとうございます。 (2019年9月7日 18時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
夏葵 - とても楽しく読ませてもらってます！及川さん推しです！ (2019年9月7日 18時) (レス) id: 668af22414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎ餅のわらび | 作成日時：2019年8月24日 17時
