烏よ、梟と ページ31
『えーっと、第三体育館ねぇ』
Aは外廊下を走りながら、案内板をもとに第三体育館へと急ぐ。
『あ、居た』
月島「……Aさん?」
第三体育館に行くまでに月島は見つかった。
どうやら自分でも晩御飯抜きはマズイと思って動いていたようだ。
『月島、ヤバい。今8時20分』
Aは腕時計を見て月島に知らせる。
食堂が閉まるまで、あと10分。
月島は驚きに目を見開きながら走り出す。その後にAも続く。
月島「Aさんは晩御飯食べました?」
『いや、まだだけど』
月島「なんで僕を探しに来てるんですか……! もしかしたらAさんも晩御飯抜きかもしれないのに」
月島ははぁっ、と吐息なのかため息なのか分からない空気を吐き出した。
月島の表情から察するに、恐らくため息の方だろう。
2人は慌てて食堂に駆け込む。
時間は──、8時27分。ギリギリセーフだ。
黒尾「おっ、間に合ったじゃん。スゲー」
黒尾が晩御飯の親子丼を頬張りながら言った。
その横では木兎が顔に米粒をたくさん付けながら、丼を掻っ込んでいた。
『いやー、マジで危ねぇな。まあ間に合ったし、いっか』
Aは軽く息を乱しながら笑った。
食堂で晩御飯の準備や後片付けをしていた清水から急かされ、A達は晩御飯を受け取る。
『本当、悪いな清水』
清水「……これから呼びに行ってあげようか? ご飯だよーって」
清水が真顔で言う。
真顔のため、本気なのか冗談なのかまったく分からない。
『お、おう? でもマネージャー大変だし、いいよ。頑張って自分達で来るわ』
Aは曖昧に笑いながら清水の言葉を流す。
一杯目を食べ終わったらしい木兎が元気良くおかわりをしに来た。
木兎「えーっ、もったいねぇ! こーんな美人が言ってんのに」
木兎はマネージャーにお椀を差し出しながら叫ぶ。
木兎の声は通りやすく、響きやすい。
木兎からお椀を受け取ったマネージャーが咎めるように睨んだ。
『確かにウチのマネージャーは美人だけど? でも負担は掛けらんないからさ』
美人の部分はしっかり肯定し、Aは真面目な顔で言った。
黒尾「じゃあマネージャーの居ないウチはどうなんですかー」
『知らん』
──こうして、賑やかに1日目が終わった。
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紅嵐(プロフ) - 孤爪が狐爪になってますよー。 (2020年5月30日 8時) (レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - テトさん» 分かりました! 頑張って会話、増やして行きます。更新は暇なときは異常に頻度が高いのでご安心を。 (2019年9月9日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
テト - この作品とっても面白くて好きです。更新楽しみにしてます!武田先生と烏養さんとの会話増やして欲しいです!あと、松川さんと花巻さんと会話してほしいです!菅原さん推しです。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: eecfed04fa (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - やった、及川さん推しが居ましたー! 夏葵さん、カミューさん、コメントありがとうございます。 (2019年9月7日 18時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
夏葵 - とても楽しく読ませてもらってます!及川さん推しです! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 668af22414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎ餅のわらび | 作成日時:2019年8月24日 17時