烏よ、飢えを ページ19
──2セット目が終わった所でAが戻って来た。
一足先に戻っていた菅原は安心したように小さく息をつく。
澤村「A! 頭は大丈夫か?」
『そう言うと俺、頭のおかしな人みたいになっちゃうじゃん』
月島「あっ、全然大丈夫でしたね」
月島が普段あまり見せないような笑顔を浮かべて言った。
その笑顔がまた憎たらしい。
『……あれ、今休憩中?』
澤村「そう。全体での休憩だよ。せっかく出て来たのに残念だったな」
キョロキョロと周りを見渡して言うAに、澤村が首を竦めて返答する。
澤村の言葉にAは肩を落とした。
「ちょっ、木兎さん。休憩中ですしやめましょうよ」
木兎「えーっ、あかーしトス上げてくんないの!? やろーよー!」
静かになった体育館内に、元気な声が響く。
髪を逆立てたスパイカーらしき選手が、黒髪の選手を引っ張っている。
黒髪の選手は「あかーし」、と呼ばれているが、恐らくは「あかあし」だろう。
『……影山ー。言わないと伝わんないよ?』
影山「……」
木兎と赤葦の自主練に混ざりたいのか、影山がボールをこねくりまわしていた。
Aの言葉を受けて、影山が腰を浮かそうとする。
が、尻込みしたのかまた座り込んでしまった。
Aが言う。
──今回だけだからな。
影山がその言葉の意味を掴み損ね、首を傾げる。
『梟谷のエース! ウチの影山が混ざりたいらしいんだけど良いかー!?』
突然、Aが叫ぶ。
影山がぐりんっとAに顔を向ける。
Aはニッと笑って影山を送り出した。
しばらくして、なぜか赤葦が烏野の方へやって来た。
『……えーっと。君、練習しなくていいの?』
赤葦「俺、あれに付き合うと体力が限界突破しちゃうので……」
『なるほど』
赤葦とAが遠い目をして会話する。
影山の方はと言うと、ぎこちないながらも頑張って話し掛けているようだ。
少し前に「影山ずりぃぞー!」と混ざって行った日向が上手く活躍しているようだ。
『あ、そういえば君の親戚に高校の数学教師、居ない?』
赤葦「えっ……と、はとこがそうですね」
どうしたのかと赤葦が首を傾げる。
『学校にさ。東京生まれ東京育ちの「赤葦」っていうちょっとウザい先生が居てね。……多分、君のはとこかな』
宮城では、数学教師が一人くしゃみをしたとか。
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紅嵐(プロフ) - 孤爪が狐爪になってますよー。 (2020年5月30日 8時) (レス) id: 1d90d43033 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - テトさん» 分かりました! 頑張って会話、増やして行きます。更新は暇なときは異常に頻度が高いのでご安心を。 (2019年9月9日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
テト - この作品とっても面白くて好きです。更新楽しみにしてます!武田先生と烏養さんとの会話増やして欲しいです!あと、松川さんと花巻さんと会話してほしいです!菅原さん推しです。 (2019年9月8日 23時) (レス) id: eecfed04fa (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - やった、及川さん推しが居ましたー! 夏葵さん、カミューさん、コメントありがとうございます。 (2019年9月7日 18時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
夏葵 - とても楽しく読ませてもらってます!及川さん推しです! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 668af22414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎ餅のわらび | 作成日時:2019年8月24日 17時