烏よ、雛鳥と ページ6
──翌日。
武田｢皆さん乗りましたね？ では行きましょう！｣
武田はいつも通りの穏やかな口調でそう言った。
『……影山はバス酔いする？』
Aは隣の席に座った影山に声をかけた。
本当は三年生組と一緒に乗ろうと思っていたのだが、なぜか先に席を陣取られたのだ。
一年生と仲良くなれると思えばAに不快感はないのだが。
影山｢いえ、したことないっす｣
『そうなの？ 俺結構弱いんだよね。緊張とかすると特にさ』
即答した影山にAはひそかに納得した。
Aにとって影山は、どことなく｢野性児｣といった印象なのだ。
『……どした』
Aは思わずそう口にした。
──影山の、鋭い眼光に。
表面こそ普通にしているが、Aの内心は大パニックである。
影山｢……Aさん｣
『ん？』
さらに凄みを増した眼光に、Aは一音しか発することが出来なかった。
しかし、その一音に勇気付けられたのか影山がゆっくりと口を開く。
日向『ぼぇぇぇぇー』
田中｢ぎゃぁぁぁぁ！ 俺のジャージがぁ！｣
影山が話す直前、日向のうめき声と田中の絶叫がバス内に響いた。
Aは真っ先に席から立ち、日向の方へと駆け寄る。
鼻をつく、吐瀉物の臭い。
吐瀉物の臭いに影響されたのか、数人口に手を当てている。
『──窓、開けて！ 早く！』
Aの怒号にも似た声に窓際の部員が慌てて窓を開ける。
吐瀉物の臭いが少し薄れた。
澤村｢大丈夫か？！ ……あー、吐いちゃったか｣
前の方の席から来た澤村が額に手を当てた。
『ま、しょうがない。田中、そのまま動くな。袋あるー？』
ササッと吐瀉物の処理をするA。
思いがけぬその手際の良さに、日向以外の一年生達が目を見開く。
日向｢すみませ……っ｣
『いーからいーから。外の空気吸っとけ、ちょっとはマシになるだろ』
日向は苦しげにしたまま、ずりずりと尻を擦って窓際に移動した。
日向は今回レギュラーらしい。
レギュラーに抜けられては困るというのがAの偽らざる心情だ。
『……大丈夫かねぇ』
せっかく強豪とするチャンスなのに、出ないのは勿体無さすぎる。
前途多難な道のりに、Aは小さくため息をついた。
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よもぎ(プロフ) - 草さん» 失礼しました。作者様なんですね……！ 頑張って下さい。 (2019年10月23日 7時) (
レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
草(プロフ) - よもぎさん» いえいえ！誰にも間違いはありますので謝らなくていいですよ。そのキャラは夢目線で見てないですし自分で書きますw(木下久志です) (2019年10月23日 7時) (レス) id: 59c85b2532 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - 草さん» うわー！ ごめんなさい！ 修正してきます。好きなキャラ……教えてもらえれば、番外編とかに出しましょうか？ (2019年10月23日 7時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
草(プロフ) - 「烏よ、巣へ」のところなんですが山口はミドルブロッカーです…。旭さん出ないの残念だけど注意書きに書かれてるのは優しいです。私の好きなキャラのひとりは名前すら出なかったりしますw 選手として活躍する夢主って難しいですよね。 (2019年10月23日 0時) (レス) id: 59c85b2532 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - ハルさん» ごめんなさい。旭さんの活躍を奪っている事は重々承知しています。しかしエースの主人公でないと決めているラストに出来ないんです……。それから上の｢旭さんがいない｣旨の注意書き、見ましたでしょうか？ このようなコメントはお控え下さい。 (2019年10月22日 15時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎ餅のわらび | 作成日時：2019年8月6日 14時
