烏よ、再び【ハイキュー！！】

烏よ、標を ページ23

──翌日。



『うわ、やっばい遅れる！』



　Aは大慌てで階段を飛び降り、体育館に直行する。



　先生の近くにたまたま居合わせたせいで、頼み事をされてしまったのだ。



　Aはシューズを持って体育館に繋がる渡り廊下をバタバタと走る。



？｢うおぁ！｣



『あっ、すみません！ ……あれ、坂ノ下の』



　Aが勢いあまってぶつかったのは、いつも肉まんを買っていく店の店主。



　なぜここにいるのだろうとAは首を傾げる。



武田｢まとめて紹介したいから、体育館に入ってくれるかな？｣



『はい。じゃあ集合かけときますね』



　一旦疑問は棚に上げ、Aはシューズに履き替えて体育館に入る。



　澤村に事情を説明し集合をかけてもらう。



武田｢……よし、皆集まったかな｣



　武田に続いて入って来た坂ノ下の店主を、部員達が不思議そうに見つめる。



武田｢今日からコーチをお願いする、烏養君です！｣



　武田が教師らしく、パリッとした様子で紹介する。



　烏養は緊張しているのか、唇を尖らせ黙ったままだ。



　そのヤンキーのような風貌と相まって、不機嫌そうにも見える。



　部員達がざわざわと騒ぎ、顔を見合わせる。



田中｢えっ、でも坂ノ下の兄ちゃんだよな？ 本当にコーチ？｣



武田｢烏養君はあの烏養監督のお孫さんで、君達の先輩です！｣



　エエエーッ！ とそこかしこから驚きの声が上がる。



『マジかー。全然知らなかったわ』
　


菅原｢俺も。いっつも肉まん買ってく程度だったし｣



　Aの驚きの声に、菅原が同意した。



烏養｢とりあえず、6時半から試合な！ 相手は烏野町内会チームで｣



『……烏野町内会チーム？』


　
　聞き慣れないチーム名に、Aはおうむ返しをしてしまった。



　それが聞こえたのか、烏養は｢見てのお楽しみだ｣と笑った。





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タイトル、一応……。
標(しるべ)です。ひらがなにすると格好が付かないので。ごめんなさい。

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