烏よ、再び【ハイキュー！！】

烏よ、舞え ページ27

町内会チーム２４点、烏野１９点。町内会チームのセットポイント。



『うっわぁ……やだな。日向がギラギラしてる』



　Aが前衛に上がる。



　ここまで何度か日向とAがマッチアップすることはあったが、ここまで露骨にギラギラはしていなかった。



菅原｢お前も大概ですけど。まったくおんなじですけど？｣



　菅原がそう言いながら次の攻撃についてサインを送る。平行だ。



　ゲームが再開され、西谷がレシーブ。菅原がトス。



『おお？！』



　Aが打つ直前、にゅっと日向が目の前に出て来る。



　Aは日向の手の形を見て、そのままガンッと打ち込んだ。



　ボールは日向の手を弾いて大きく飛んで行く。



　ブロックアウト。これで町内会チームが１セットを取った。



『……びっくりしたぁ。どんだけ跳んでんだ、アイツ』



　Aが心臓の辺りに手を当てて言う。



菅原｢俺も日向の中学総体見てびっくりしたよ｣



『あ、お前見に行ったの？ どうだった？』



　Aはその日ちょうど予定が重なっていて行けなかったのだ。



　菅原はなぜか自慢げにしながらAの問いに答えた。



菅原｢えっとな、日向の方は素人の寄せ集め。そんで初戦から影山のいる北川第一と当たって負けてた｣
　


『組み合わせ容赦ねぇな』



菅原｢でもな、そこでも物凄い運動量だったよ。最後のトスミスからのブロードは痺れた｣



　うわー……、と日向の機動力にAが引いていた。



　味方にすれば心強いが、敵にすれば厄介極まりない。



『あ、そうだスガ』



菅原｢何？ ……もしかして、足痛い？｣



『いや、全然。むしろ絶好調』



　Aがそう言いながらゆるりと首を横に振る。



『……久々すぎて、ちょっとバテて来た』



菅原｢……｣
　


　はは、と乾いた笑いを漏らすAを、菅原は白い目で見つめた。



　当然の如く、Aは交替させられた。

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