烏と始まり ページ3
『……』
フッ、とAがサーブトスを高く上げる。
ドドッと一瞬でボールは床にたどり着き、ノータッチエースをもぎ取った。
日向｢ナイッサーもう一本！｣
日向がボールをAに手渡しながら笑った。
Aがゾッとする程綺麗な笑みを浮かべて、再びサーブトスを上げた。
──次はサービスエース。
ボールはリベロの腕から右に長く弾かれた。
ペロリと特点板の数字が捲られた。
２回席の方から黄色い声が上がった。
黒い格好をしているから、恐らくAに釣られた烏野のファンだろう。
田中｢……応援してくれんのは嬉しいけど、絶対Aさん目当てって分かるからなぁ｣
澤村｢やめろ、田中｣
田中が複雑そうな表情をして言った。
そんな田中の背を澤村が遠い目をしながら叩く。
当の本人であるAは声援を気にも止めず、次のサーブに集中を高めている。
その様子を見て、田中は初めて女子達を哀れに思った。
──２回席。
元監督｢……ふむ。あれが千鳥山の｢化け物｣か｣
烏養元監督が満足げに笑う。
さすがと言うべきか、その笑い方は今ベンチに座っている烏養との血の繋がりを感じさせる。
谷知が烏養元監督の言葉に首を傾げた。
谷知｢化け物、とは……？｣
谷知にとってはAはただの優しい先輩。
｢化け物｣などと言う言葉と上手く繋がらなかったのだろう。
｢お嬢ちゃん、知らんのか！？ 千鳥山の化け物と
谷知の隣に立っていた魚屋の男性が驚いたように声を上げた。
──曰く、中学生にしてあの精密なスパイクを打っていたと。
あの化け物を無しにして、千鳥山の栄光は語れない。
故障さえなければ｢怪童｣、牛島若利と真っ向から勝負出来る恐ろしき逸材。
｢化け物っつーのは──、実際に見た方がいい。嫌でも分かっちまうから｣
魚屋の男性は意味ありげにニヤリと笑った。
ターンターン、と酷く静かにボールが床の上を跳ねた。
──烏野側の点が、また加算された。
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うさぎ - 了解です。青城好きなので楽しみです！ (2019年9月16日 21時) (
レス) id: 1ab5dd9ceb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - うさぎさん» コメントありがとうございます！ �△任垢�……。青城戦だけ異常に長くなるかもしれませんね。 (2019年9月16日 19時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - いつも楽しく読ませて貰っています。私は、��番希望です。これからも応援しています。 (2019年9月16日 19時) (レス) id: 1ab5dd9ceb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - 餅兎さん» 青城がめちゃめちゃ好きなので、続編は丸ごと対青城になりそうです。それから丁寧な回答、ありがとうございます！ (2019年9月16日 11時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ(プロフ) - 狐猫音。さん» コメントありがとうございます！ だいぶ長編になるので困ってたんです……。 (2019年9月16日 11時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎ餅のわらび | 作成日時：2019年9月9日 7時
