どちら様でしょうか【wrwrd】 (ページ2)

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私はテンプレかよと言いたくなるぐらい見事にトラックにはねられ異世界に転生することになった。詳しく述べるとするのなら夜勤明けに家に向かっていたところ、飲酒運転だか居眠り運転だか知らないがトラックに突っ込まれて25年という短い人生に幕を閉じた。目を覚ますとそこは真っ暗な何もない空間。
「あぁ、死んだのか。」
なんて呟けば背後から声がかかった。
？「随分冷静なんだな」
振り返り声の主を見やるとそこには白いローブを羽織りフードで顔を隠した何者かが立っていた。
？「トラックに正面衝突されれば基本死んだと思いませんか」
そんなことより私は不審者にしか見えないあなたのが不安の種だ。
なんて考えていれば謎の人物はけらけらと笑った。
「まぁ確かにそうだな、名乗るのが遅れて申し訳ない。だが生憎俺には決まった名前がなくてな、ある者には死神と、ある者には悪魔と、またある者には天使と、神と崇められたこともあった。お前は俺をなんと例える？」
「………貴方が何を私にするつもりなのかによってそれは変わると思うのですが」
？「…そうだな、俺はお前を転生させるためにここに来た」

転生。なんてテンプレな。
でもそれならばこの人物の呼び方なんて一つだ。

「じゃぁ、神様。一つ質問いいですか。」
神様「答えられる質問ならば答えよう」
「人は皆、死後ここにきて貴方に会って転生をするものなんですか」

神様は首を横に振って“俺に会って転生をするものはそんなにいない、別世界に転生するものだけがここで俺に会うんだ”と答えた。

神様「お前の場合は転生というより転移に近いけどな」
容姿は変わるが記憶は残ったままであること、生まれるのではなくここから直接転送されること、年齢は19歳だということ、転送先は我々国という規模の大きい国にある森であることを教えられた。

神様「名前は前世の名前を使え、苗字はなしだ。お前が行く森は伝説があってな、記憶がなくていつの間にか森にいたと言えば一時的に保護してもらえるはずだ」

んじゃがんばれと神様は言うと指をパチンと鳴らした。

暗転