13話 ページ15
轟『…あなたを見た時、息子の事を思い出したんです』
『息子さんが居たんですね』
すると、轟さんはギュッと掛け布団を強く掴んだ。
轟『でも、私は息子の顔に熱湯をかけてたの…っ息子は何も悪くないのに…私…私…っ！！』
『…轟さん』
私は轟さんを覆うように優しく抱きしめた。
『轟さんは息子さんと過ごした日々はとても幸せでしたか？』
轟『…はい』
『息子さんに会いたいですか？』
轟『会いたい…です…っ』
轟さんの目からたくさんの涙が溢れていた。
『大丈夫ですよ…息子さんもあなたと同じ気持ちだと思います。子供は親と一緒に過ごした日々は一生忘れません。轟さんは息子さんと過ごした日々はとても愛情を注いだのでしょう』
そう言うと、轟さんは頷いた。
『もし息子さんの心が殻に篭って閉まったのであれば、あなたが助けてあげて下さい。息子さんにとって、あなたはヒーローであり、母親でありますから…』
轟『森毒さん…』
『私には母さんの愛情を受け取りたかったけど、父さんから邪魔されて受け取れなかったんです。この目も…そして、この胸の傷も』
病人着から少し胸元を開け、轟さんに見せた。
轟さんは私の胸の傷に驚愕した。
轟『女の子のあなたに…なんて事を…っ』
『仕方がないんです…私は代わりみたいなものですので…』
轟『代わり？』
『えぇ…兄の代わりとして、男として生きているんです。父さんは私のこの胸を見て、怒りをし、切り落とそうとしたんです。幸い、母さんが止めてくれたんですが』
轟『そう、なんですか…』
『轟さん。大丈夫ですよ。こうやって、今生きてますから、自分』
ニコッと笑うと、上から拳が落ちてきた。
『いったー！！げ！？』
看護師『げ！？じゃありません！！森毒さん、検診ですよ？』
『はーい。んじゃ、轟さん。また』
轟『えぇ。また…』
私は看護師さんに襟元掴まれて、検診に向かった。
轟『…焦凍』
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みかん - とても面白い作品で息抜きとして読まさせてもらってます！初コメントにこんなことを言うのには、抵抗があったのですが、第十五話の最後の方切島が霧島になっています。これからも更新頑張ってください。長文長々と失礼しました。 (2018年7月24日 18時) (
レス) id: 4c9134da1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜魅 | 作成日時：2017年3月29日 0時
