泡が弾けて消えた ページ44
「船長！そろそろ次の島に着きます、ご準備を」
1ヶ月ぶりに、大きな島に着いた為かクルー達は皆両手を上げて大喜び。
太陽の陽を浴びながら、甲板の椅子に腰をかけ本を読む僕に話しかける航海士。その声と共に、パタリと片手で本を閉じ目線を上げる。
『ん、じゃ。着いたら暫く自由行動していいから、みんなゆっくりして来な』
僕の言葉と共に、より一層の騒がしくなる船。各々が歓喜の声を上げ、何処に行くか話し合っている。船番は、入れ替わりでしてくれるだろうし、久し振りに僕も羽根を伸ばそうかと服のシワを伸ばし、立ち上がる。
心地の良い風が吹き、花が舞う。
それと同時に、あの頃より長くなり左肩に流すようリボンで結ぶ僕の髪がヒラリと宙を舞う。
風に当たる度に、カチカチと音がするダイヤの金属部分と、太陽に照らされる度に光る光沢の部分。
シャンクス達と別れた後、名医達が集まるあの島で無事に次に身を留める場所を見つけることが出来た。その後は、下済みをして「もう教えることは無い」と言われた日から1人旅立ち、こうしてある海賊の船長をし、医者を名乗っている。
『そういえば、アイツ元気かな』
ふと、あの島で出会った ふわふわの帽子をかぶった同い年くらいの男を思い出した。
お互いに、似たような似ていないような理由で島にいて、性格が全然合わないのに何故か仲良くなり、いつかまた再会しようと交わした。
『僕が海賊になったって言ったら、アイツ驚くかな？ハハッ』
あれから会えてないが、ごく稀に、電伝虫でお互いの近況を話すくらいには仲が良くなった。まさか僕が海賊になったとは思っていないらしく、次の電話の時に教えたら驚くだろうな〜って呑気に考える。
「船長！麦わらのルフィの手配書、また新しくなっています！」
『また！？懸賞金すんげー増えてんだけど、何したの！？』
クルーが慌てて持ってくるルフィの手配書。
また懸賞金の０がひとつ増えている。
写真には、昔と変わらない笑顔と引き継がれたトレンドマークである麦わら帽子。
頑張れ、ルフィ。
自然と笑みがこぼれる。
「船長！準備出来ましたー！」
駆け寄ってくるクルーに、軽く返事をして準備をしておいた籠を手に取る。今はもう、美味しそうな果実の匂いもフーシャ村の懐かしい香りもしてこないけど、僕にはあの頃の記憶が今でも鮮明に蘇る。
籠を片手に、久し振りの大きな島へ胸を弾ませ歩き出す。
拝啓、神様へ
ここから始めます。僕の物語を＿＿＿＿＿
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紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2023年3月5日 14時) (
レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました！何回も読ませてもらいます！お疲れ様でした！ (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます！嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした！！ (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です！本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです！新作等たのしみにしていますね！♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月12日 3時
