泡が5つ ページ5
ｺﾝｺﾝ
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『もう！！！なんなの！いい加減にしてシャンクス！！！』
「開けてくれたっていいじゃないか」
降り注ぐ雨のように、強い力でドアを叩き遊び半分な、陽気な声を出す。
今わ誰にも会いたくない。
「A…その。ウタがすまなかったなぁ」
『…』
ウタは、自分で謝ることもしないのか。結局は関係ない大人にやらせて。
そんな怒りがフツフツと湧いてくる。
「なぁ、A。本は元には戻らなそうか…？」
『………はいはい。皮肉ですね。僕には、悪魔の実の能力も無ければ、本を直せる知識もありませんよーだ。』
「ははっ！そんなことは言ってないだろう？ウチのマセガキさんは、遂に反抗期かー！だはは！」
僕とは正反対で、ドアの前で笑い転げるシャンクスにまたムカッとしてくる。
ドアの前で、体育座りをして涙を堪えてる僕の気持ちなんて分からないんだ。
「………ウタもな、お前の為になればと思って色々勉強しようと本を借りたらしいんだが…まぁ、Aの大事なもんだってことは知らなかったらしいんだ」
『だからって、本をダメにして謝りもしないで、はいそうですか。とはならないよ』
僕の言葉に納得したのか、「嗚呼、そうだなぁ」とドアの向こう側から声がする。
「なぁ、A。新しいのを買うって言うのじゃダメか？」
『ダメ。絶対に嫌だ。ダメなんだ、これじゃないと。』
窓から冷たい風が入ってきて、余計に惨めな気持ちになる。辛い。
「Aの師匠には悪い事をした…。勿論、Aにも」
『今更慰めなんていらない。それにシャンクスは関係ないでしょ』
そう言って、耳を塞いだ。もう何も聞きたくない、何も考えたくないんだ。床に散らばった参考書も資料もメモ書きも本も、全部全部僕の希望で、あの本が僕の、僕の夢なんだ。
「関係なくない。俺とお前は家族だからな」
その言葉は、いやでも耳に入ってきた。それと同時に涙が溢れてくる。こんなに苦しい幸せはどこにもないと思う。
でも結局のところ、シャンクスはウタの為に今ここにいて、当の本人はどうせどこかで泣きながら慰めてもらってる。
いつもそうだから、結局僕が折れるんだ。
『わかったよ。後でご飯食べるからルウに言っておいて、ハンバーグがいいって。』
「おう！任せとけ。目玉焼きもつけてもらっておくから早く来るんだぞ！」
そう言って機嫌が良くなったと思ったのか、シャンクスは軽い足取りでルウの元へ向かった。
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紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2023年3月5日 14時) (
レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました！何回も読ませてもらいます！お疲れ様でした！ (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます！嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした！！ (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です！本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです！新作等たのしみにしていますね！♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチュリー | 作成日時：2022年9月12日 3時
