泡が27つ ページ39
今、ここで生き残っているのは 赤髪海賊団・ゴードンさん・ウタ そして僕のみ。
シャンクスはウタが海軍に追われることを防ぎ、歌手となれる未来を守る為にらエレジアを滅ぼした罪を赤髪海賊団で背負うことにすると話す。
その際、ウタの事はゴードンさんに任せ エレジアにウタを置いていくと話される。
そんなことを急に話されても、理解できない。
ウタだよ?みんなウタのこと好きじゃん、ウタだってみんなのこと好きなんだよ?それなのにウタに何も言わずに出ていくの?
『本当に、本当にそれで後悔しないの…?僕は、嫌だよ!絶対に後悔する、ねぇ、シャンクス考え直してよ』
そう訴える僕の頭に優しくてを乗せるシャンクス。いいよ、そんな顔を向けるのはウタだけで、そうじゃないんだ。僕が向けて欲しかった笑顔はこんな形で得られるものじゃない。
『納得…できないよ』
涙が溢れる。あれだけ普段、ウタを羨ましく思っているくせにこういう時だけ僕の心は正直になる。僕の幸せには、ウタも居なきゃいけないんだ。そう、初めて理解できた。
子供として、理解ができない。ただ、この長い間シャンクス達と暮らしてきて分かったこともある。理由もなしにウタを置いて行くなんてことはしない。きっと、離れていても片時も忘れることは無いし、再び再会出来る日が来る。
そう思っているんだ、みんなは。ここにいる全員が。
「…頼む、A」
ウタの為なんだ。実際には口に出していないが、僕にはそう聞こえてきた。俯き自分が今立っている地面を見つめる。
『……わかっ、た、』
船の上で膝を抱え丸くなる僕を、隣に座り背中をさするようにしてくれるヤソップ。
涙はまだ止まる気はしない。
_____
出航と同時に、予定通りエレジアに背を向け笑いながら去る。炎と燃え落ちる島の各部の家の音で、聞こえずらいハズの人の声が風に乗って聞こえてくる。
「なんでだよぉ!シャンクス!!!A!!!」
嗚呼、辞めてくれウタ。そんなに悲しそうな声で、僕の名前を呼ばないで。
ごめん。ごめん。
こんなダメなお兄ちゃんでごめん。
こんな、こんな。僕でごめん。
『ご、めん、ウタ』
その言葉は、広い海に消えていった。
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紫苑(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2023年3月5日 14時) (レス) @page46 id: 44ea1afdd3 (このIDを非表示/違反報告)
穹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉話が更新される度ほんとにワクワクしながら読ませてもらっていました!何回も読ませてもらいます!お疲れ様でした! (2022年9月16日 21時) (レス) @page45 id: 17ca666086 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - 完結おめでとうございます!嬉しい気持ちではありますが寂しく思います。お疲れさまでした!! (2022年9月16日 20時) (レス) @page44 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
ココ丸(プロフ) - とっても素敵な作品です!本当に泣いたり笑ったり楽しませていただきました。だいっすきです!新作等たのしみにしていますね!♪ (2022年9月16日 20時) (レス) id: 17402642c9 (このIDを非表示/違反報告)
はくろー(プロフ) - おもろかったです!更新を楽しみにしてます(*^ ^*)頑張ってください♪ (2022年9月15日 20時) (レス) @page40 id: 284adcf210 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パチュリー | 作成日時:2022年9月12日 3時