黒執事◆◇日本からのお客様◆◇

その執事 的中 ページ40

ファントムハイヴ邸…──＜セバスチャンsaid＞


お嬢様を別のお部屋に運び 國さんの遺体の前に

セ)「…」

安らかな寝顔…とはいかなかったようですね…國さん

頬に残る涙の跡…その真意は無念か屈辱か…

セ)「抜かりましたね…」

國さん…あなたは薫様を見て一瞬だけ攻撃の手を

緩めた…過去でも見たのでしょう


──“過去”という名の“幻想”を──


セ)「だから忠告したんです…今のあなたではお嬢

様を守りきることは叶わないと…」

もう仕えていない主に恭しい敬意を捨てきれない

あなたには…──


『セバスチャンさんの忠告…当たっちゃいましたね(^-^;』


いつもならそう言う所なのでしょうが 今のあなた

にそれはできませんね…國さんの遺体を抱えて歩

き出す

セ)「忠義を尽くす主は1人だけ

過去を捨てきれずお嬢様に危険だけを残したあな

たは…お嬢様を最後まで守りきることはできなかった」

遺体を持ち闇の中に消えていった


＜Asaid＞


ｼｬｯ!

貴)「…?」

カーテンの開く音と朝日で目を覚ました


國)「お嬢様…」


貴)「! 國!?」

勢いよく跳ね起きたが 視界に飛び込んできたのは

黒い燕尾服…

貴)「…セバス…チャン…」

勢いよく跳ね起きた事に驚いたのか そんな表情を

している

セ)「おはようございます お嬢様」

貴)「…おはよう」

セ)「申し訳ございません 女性の部屋に勝手に入る

のは如何なものかと思いましたが…なかなか起き

てこられないので様子を」

貴)「…」

そうだ 國がいるはずがない…國は


死んだ


貴)「セバスチャン私…」

セ)「國さんが行きを引き取った直後 お嬢様は気を

失い 僭越ながら私がお部屋まで運ばせていただき

ました」

貴)「そうなんだ…」

セ)「國さんの御遺体は昨晩のうちに安全な場所へ

運んでおきました カラスが啄んだり傷んだりして

は大変ですので」

貴)「ありがとう…」

遺体は無事…私の為に戦い死んでいった國…せめ

て相応に弔ってあげたい

セ)「いえ それでお葬式の件ですがお嬢様…やはり

日本で?もしこちらで式を挙げるなら坊っちゃんは

全て手配すると仰っていますが」

貴)「有り難いけど…一ノ宮家に尽くしてきた國だ

から一ノ宮家のお墓に入れてあげたいな…」

でも國は異国文化に興味があった…

貴)「ねぇ セバスチャン」

セ)「はい?」


シエル自室…──＜シエルsaid＞


僕は國の涙を思い出していた

あの舞踏会から気付いていたのか…


シ)「見納めだと…」

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