藤井の嫁、お断り。

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"A。これ、2週間後締め切りだから。"



『えっと……に しゅう かん…ですか？』



"そう。Aならできると思ってたんだけど。"



『いや、さすがに2週間は…

このところ、みんな…』



"なに？できないの？"



『………わかりました。頑張ります…』









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失礼しました、と部屋を出る。



"社長室"と書かれたドアプレートを見上げ、
ため息をついたところに







はははっなんて笑い声。







『ほんとに、笑いごとじゃないから。

ほら、あんたも手伝ってよ。』




「ごめんな。俺、これから社長室やねん。」






ヘラヘラと笑って私を見下ろし、

ポンッと頭に手を乗せて







頑張ってや、Aちゃんって。








バカにしないでよと言おうとすれば、

彼はもう、社長室の前まで歩いていた。






ふんっと体を回転させ、彼に背を向け
私も歩き出す。








「いつまで？」


『2週間後』


「ふーん。ま、だいじょぶやろ。」






背を向けていてもわかる

1ミリも焦っていない彼の顔。









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藤井流星。





相当なマイペース。







会社では、女性社員からモテモテ。


そして本人自覚あり。






そんなあいつに憧れている男性社員も多い。


それも本人自覚あり。






仕事はしないのに、女社長のおきにだから
企画部のチーフ。









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…そんでもって、私の唯一の同期。







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