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甲板にはたくさんの机や料理が並べられ、新しい小さな仲間の誕生にクルーたちは沸いていた。
そこに赤い髪を揺らし、赤いファーコートを靡かせ登場したこの船の船長キッド。
「夜明けに仲間に加わったAの歓迎会だ」
野郎共が好き勝手食う前に挨拶に来い！チビ！、そう叫んだキッドはキラーの方を向き腕を組んだ。専用の大きな椅子に座り、自分の前を指差した。
『私に‥カイゾクを教えてください、おねがいします』
頭を下げれば鼓膜が震える程の歓声。ハッとして顔をあげたAの瞳はこの日一番輝いて見えた。
「おいチビ、まずは食え。お前の仕事は食う事からだ」
コックが喜んで作ってたぜ、そう言ったキッド。しかしその場から一向に動こうとしないAに、片眉を上げてここに座れ、と豪華な椅子を引いてやる。戸惑いながら座った小さな少女は、目の前に並べられた食事から目線を外し固く握った拳は膝の上でカタカタと震える。
『‥わ、たしはいらないです、』
「なんだてめェ‥いらないだと？」
ずっと腹鳴らしてやがるくせに何が気に食わねェ！おい！、そう言ってキッドが栗色の髪を掴む。近くで初めて見たその雲色の瞳。キッドはこの色を知っている。
絶望の色だ。
「キッド‥！離してくれ、何か理由があるはずだ」
こいつは男と女も知らなかったんだぞ！そうキラーが言って太い腕からAを引き離す。
『ごちそう食べて‥みんな、いっぱい‥！くるしんで死んでいった！いや、だ！食べない！だまされない！』
その言葉に皆がハッとする。キッドの顔が一瞬歪んだ。
「‥見てろA。お前はここの家族だ、そんな馬鹿な話は無ぇ」
ドカッと椅子に座り、隣に座れと細い腕を引く。Aの前に出されていたピラフにスプーンをさし、自分で食べてみせたキッド。
Aの目がみるみると見開かれる。
「俺を信じろ。食え」
次に同じピラフをもう一度掬い小さな口の前に差し出す。ふるふると震える唇。その目から初めて大粒の涙が溢れた。迷いながら小さく開かれた口にスプーンを差し込めば暫く咀嚼して喉が上下すると同時に大きな手からスプーンを奪い取って、泣きながら頬張るA。
他のクルーたちもその光景を見て泣いていた。
「おいおい‥チビ！てめェ！スプーンの持ち方も知らねぇのかよ！こぼしすぎだ！おい！」
汚ェ！キラーてめェが教えろ！そう言ったキッドは少年のような笑顔で笑っていた。
11&NEW!!イメージ画(以前の画像と差し替えました)→←9
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嫁子ちゃん。(プロフ) - 愛さん» 愛さんありがとう〜〜😭最近ずっとしんどいことが続いてたんですが、愛さんの言葉で救われました😢私の描いたキッドが上手く伝わってて嬉しいです。必ずまた出します！どうかこのまま応援宜しくお願い申し上げます‥🥰 (2022年3月10日 12時) (
レス) id: e5a69cc9ba (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 初めまして！嫁子ちゃん様の夢小説を拝見しているものです。その中でもキッドがメインのこの小説が大好きで何度も読み返しています。また、お手隙の際にキッドとの夢小説の新作を書いて頂けますと幸いです♡ (2022年3月10日 2時) (レス) id: 37bfcbe86a (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - ツバメさん» こちらにもありがとうございます🥰そうなんです！！今はまだすぐには書けないんですけどそれは絶対に書こうと思ってました‥！ので気長に待ってもらえると嬉しい‥😭ﾂﾊﾞﾒさんの為にも必ず書きます🌸 (2022年3月7日 23時) (レス) id: e5a69cc9ba (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 読んでもう完結してしまったなとゆう感じで楽しさワクワク色んな事がいっぱいキッドやキラー皆の絡みがあって興奮とワクワクしながら読んでました 無理かも知れませんが特別編でキッドの海賊団と彼女の海賊団が再会するのと再会してからの皆と少しの絡みが見てみたい (2022年3月7日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - Suuさん» suuちゃん！コビーのお話にもコメントくれましたよね！ほんと、いつもありがとうございます(ToT)そしてファンだなんて‥最高だ嬉しすぎる(；∀；)もう少しで続編あげますので、もう暫くお待ちください！あと、呼び方ですが気軽に呼んでください！ (2021年7月1日 7時) (レス) id: 168203fbed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嫁子ちゃん。 | 作者ホームページ：https://Twitter.com/yomeko_zzz
作成日時：2021年6月3日 15時
