45小さな山 ページ45
あの会話を聞いてから、それからの訓練で頭を空っぽにするのに凄く力を使ってしまった。
いつもよりかなり体がしんどい。
何にも疑う事なんてないのに、心に黒い霧がかかって本当の気持ちがわからなくなる。考え過ぎなんだとはわかってるけど‥気になる。
気になればもうそれは塞き止められなくなって、悪い方へ転がってしまうんだ。
『コビー？ね、聞いてる？』
「ん、ごめん‥今日疲れちゃって」
いつもならヘルメッポとだべってから帰るのが楽しみだったけど、初めてそれをすっぽかしてぼんやりと家へ帰ってきた。いつもなら聞けば疲れが吹っ飛ぶAちゃんのおしゃべりも、今日初めて聞き流した。ごめんね、と困った顔をして眉を下げるその顔にぎゅっと目を閉じてごちそうさま、と箸を置き風呂場に駆け込んだ。
後ろから心配する声が聞こえたけど、振り返ったら何だか負けた気がしてバタンと扉を閉めた。
「馬鹿だなー、ほんと‥何歳だよ」
あんな心配な顔をさせてしまって最低だった。シャワーから出たら謝ろう。そして何を話してたのか聞いて、僕が馬鹿だって笑ってもらおう。
手早くシャワーを済ませ、キュッと栓を閉めてリビングに戻る。
『あ、コビー上がってきちゃった‥！また電話するから！』
慌てて通話を切ろうとしてる姿を見て、グツリと体の芯が揺れた。彼女の腕を掴んで声の主に耳を傾ける。すると、何でコソコソすんだよ馬鹿か！と聞き慣れた声が聞こえてきた。
『ごめん、なさい‥コビー怒らないで』
「‥‥昼から怒ってる」
ソファに膝をついたコビーに真上から見下ろされ腕を強く握られた。ピンクの髪からぽたぽたと水滴が落ちる。Aは初めて見たコビーの怒りを帯びた表情に息を呑んだ。掴まれた腕から電伝虫が転がり落ちた。コビー！おい！喧嘩すんなよ！の言葉と共に通話は切れ静かに眠る。
『あのね、サマンサがね‥
コビーの素肌の胸に手を当てて、弁解しようとしたその唇は簡単に塞がれる。背中と後頭部をガッチリと持たれ逃げ場はない。鼻を摘ままれて、思わず大きく息を吸えばもう負けたも同然。一気に熱い熱が侵入する。そして熱い指も体中を這い敏感に反応してしまう体。離してくれない唇に着いていくのも精一杯で涙が溢れた。
「‥‥ほん、とその顔‥堪んない」
『いじ、わる‥っ』
「そう、今日は意地悪だから」
流れた涙を舌で掬ってパチリと照明を落とした。
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嫁子ちゃん。(プロフ) - 風早紫音さん» 最高だなんてー！勿体ないお言葉、ありがとうございます頑張れるぅぅ😭必ず続編書きますので、どうかお待ちください❤️ (2022年10月16日 11時) (
レス) id: 9b6f360aec (このIDを非表示/違反報告)
風早紫音(プロフ) - 最高としか言えない…！！コビー推しだからほんっと嬉しい！これからも楽しみにしてます！ (2022年10月16日 9時) (レス) @page50 id: 3b05bc2eb8 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - ユヅさん» ほんっっとに嬉しすぎるお言葉ありがとうございます‥！！😭コビーくんきっと大人気になるはず‥！私もコビーくん大好きです🥰もちろん新しい作品は作りますよ😉 (2022年8月21日 4時) (レス) @page50 id: 4d9705b736 (このIDを非表示/違反報告)
ユヅ(プロフ) - この小説を機にコビー様のファンになりました！神作品すぎます泣コビー君の作品少なくてがっかりしてたけどこの作品見てハァハ(感動して癒されました！！主さんはコビー君推しですか？😆コビー君の作品は新しく作る予定はございますか！？とても好きです応援してます (2022年8月21日 0時) (レス) @page48 id: 9898b37776 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - にーにさん» ほんとーーー？！！嬉しいありがとう❤️続編頑張るからね〜〜！！期待してて！👌 (2022年8月20日 18時) (レス) id: 4d9705b736 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嫁子ちゃん。 | 作者ホームページ：https://Twitter.com/yomeko_zzz
作成日時：2021年5月20日 0時
