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偵察の帰り、突然の雨。
『早く帰って来てね』にへらと笑って肩を竦めるAの姿が先程の事のように浮かぶ。引き返す事も眼下に映る島に降りる選択もない。
酷くなる嵐に視界はほぼゼロになった。
「‥‥急がねェとあいつが拗ねちまうよい」
小さく舌打ちをして、もう何度目かわからぬ程繰り返した雨を拭う仕草。その度美しく煌めく青の炎は雨とぶつかり更に細かく空中へ舞い散る。
キンと空を割る青はその残像だけを残し、ひたすらに進む。そして数日ぶりの真夜中。眠りに尽く我が家へとその疲れた羽を降ろした。
不寝番以外は皆寝静まる静かな月夜の晩。
「マルコ。お疲れさん」
「ありがとよい」
その香ばしい薫りと相棒の出迎えに頬が緩む。疲れた体は美しい再生の炎に包まれていた。
「お、やけに疲れたみてーだな。珍しい」
「２日飛びっぱなしは流石‥きついねい」
「熱いね〜！一秒でも早く会いたいってか？！」
「馬鹿言ってねえで寝ろフランスパン」
サッチの腰を蹴るマルコはコーヒーを片手に部屋へと向かう。親父にはもちろん空の上から連絡済みだ。
何やら後方で小声で騒ぎ立てているサッチから、「あいつ毎晩親父と寝てるぞ」と聞こえてきた。
Aはマルコのすぐ近くに自室を持っている。どうやら偵察や夜居ない時は親父の部屋で寝ているそうだ。
本人から直接聞いた事はないが、何でもマルコが居ないと心配で寝られず親父の側でしか眠れないらしかった。
それを聞いた時は思わず顔に熱が集まり、サッチやハルタ達に何日もからかわれたのはいい思い出だ。
そんな事を考えながら、手を伸ばした先。
「‥‥無事帰ったか」
「起こしちまって悪い」
親父、そう言ったマルコの瞳は大きな親父の端に盛り上がった小さな塊に目を止めた。静かに近寄ればシーツをきゅっと握って真ん丸になって眠るAの姿。
「お前が出たらいつもこれだ」
「まだまだガキだねい」
月明かりに照らされ、天使のように穏やかに眠るAの目元にソッと触れるマルコ。すると長い睫毛が揺れて、ふいっとシーツに顔を隠しまた寝息を立て出した姿を見て小さく笑う二人。
「ゆっくり休め、マルコ」
そう言って大きな手は長男坊の柔らかい髪を優しく豪快に撫でる。にんまりと笑ってご機嫌なマルコは、静かに部屋を出て自室へと戻る。熱いシャワーを浴びれば無意識にベッドへと倒れ込み、穏やかな眠りへと落ちていった。
To be continued‥>>>
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よめこ。(プロフ) - 音乙さん» コメント嬉しいです〜😭ありがとうございます❤️これからも楽しんでもらえるよう頑張ります！リクエストあればまた宜しくお願いします🎵 (2023年3月15日 16時) (
レス) @page34 id: bf0ac319e7 (このIDを非表示/違反報告)
音乙(プロフ) - 更新有難うございます〜もう今回も相変わらず好き❣️ (2023年3月15日 16時) (レス) @page34 id: a6800f4809 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - 藍琉さん» あいちゃんありがとう😭最近落ち込んで全然書けなかったよ〜。 (2022年1月31日 20時) (レス) id: 33020e7a59 (このIDを非表示/違反報告)
嫁子ちゃん。(プロフ) - リエさん» リエちゃん〜！ありがとう、これからも宜しくお願いします😭 (2022年1月31日 20時) (レス) id: 33020e7a59 (このIDを非表示/違反報告)
藍琉(プロフ) - 待ってましたー！嫁ちゃんおかえりなさい！！ (2022年1月31日 7時) (レス) @page29 id: 33103a1684 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よめこ | 作者ホームページ：https://Twitter.com/new_yomeko
作成日時：2021年4月25日 15時
