おわり ページ4
何ヵ月もした頃、
もう居ないだろうと
久しぶりに部屋へ戻れば。
お前は変わらずに笑ってそこに居た。
『‥‥良かった元気そう。私、出ていくから』
その言葉に、ズキリと心臓が痛む。
好きにしろ、そう言って
お前の顔を見ず横を通り過ぎた。
どんな時も二人で過ごした小さなテーブル。
いつの間にか花は枯れていた。
『キッドくん、今までありがとう。
私キラーにプロポーズされたの、
今から返事に行ってくる』
「‥好きにしろ。」
胡座をかいて、背を向ける。
枯れた花を見て、水をやればまた
生き返るかコイツ、
なんてぼんやりと考えていた。
狭いワンルーム、背中を向けてても
玄関の音なんて丸聞こえだ。
カギを置いて、ヒールをはいた音。
小さく息を吸ったお前が
ドアに手をかけた。
「悪かった‥」
小さく呟けば、
カーペットに大粒の雫が落ちる。
すぐに背中に感じた懐かしい温もり。
こんなに痩せさせてしまった、
今更ながら酷い後悔が溢れて止まない。
「っ、‥すまねェ」
『いいよ、大丈夫』
そう言って笑ったお前は
突然わんわん泣き出した。
驚いた俺は抱き締めて背中を擦ったが、
泣き止む所か子供のように
更に大きな声で泣く。
『ばか、ばか！』
「悪ィ‥ほんとにすまなかった、」
ひくひくと泣くその姿に、
もう前のような後ろめたい感情はない。
先程の言葉を思い出し、
お前の涙が止む頃、問い詰めた。
「お前‥俺が居ねェ間にキラーとナニがあった‥」
『それ、よく言えたね。』
目を細めて言うもんだから、
キラーの元へ向かおうとした時。
最後に嘘をついてやろうと思ったと
慌てて手を引っ張った焦るお前。
その言葉に、ため息をついて
がっくりとその場に倒れ込んだ。
『キラー呼んでご飯食べよう』
「ったく‥好きにしろ」
スマホを出そうとした細い手首。
引き寄せて愛しい熱に溺れる。
「誰かに渡すくれェなら殺す」
『それは私も！同感！』
「バカ野郎‥」
『キッドくん、もう一回ちゅーして』
―end−
━━━━━━━━━━━━
好きな歌をお話にしてみましたー。
ずーっと書きたくて一気に書いちゃった。
キッド目線だね。
読んでいただき、ありがとうございました。
嫁子最近スランプです、言葉が出てこない。
終わり
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嫁子ちゃん。(プロフ) - 祈杏さん» えーー！嬉しい‥ありがとうございます😭頑張れます！キッドさいこうですよね❤️ (2021年12月23日 8時) (
レス) id: eb6394fe4d (このIDを非表示/違反報告)
祈杏(プロフ) - キッドの小説ほんと少なくて…嬉しいです！嫁子ちゃん｡さんの小説の書き方ほんと上手で読みやすくてもうファンです！もう好きです。推しです。 (2021年12月22日 23時) (レス) @page4 id: 3d4bd36122 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嫁子ちゃん。 | 作成日時：2021年12月22日 1時
