98話.歌詞太郎side ページ46
結局、あれはなんだったんだろうね。
打った文字を消していく。
みんなは平凡に暮らしているようだけれど、僕だけがあの現象を素直に受け入れられない。
天月くんにはあんなにかっこいいセリフ言っておいて。
自分が冷静になれないでどうする。
机を叩こうとした瞬間、ぽぽとみみが膝の上に乗って、にゃ、と鳴く。
この子たちにも迷惑をかけてしまっていたのか。
「ごめんね」
そう言って撫でる。
あの時、うっすらと感じた亡き人の影。
なわけ無いだろ、と最初は思っていた。
でも、それは、と思うようになったのは、家系を整理した時だった。
「藍沢アイラ」
彼女は今から30年前ほどに亡くなっている、僕の親戚にあたる女性。
生きていたら、僕より年上になる。
彼女はどうやら外国人を親に持つようで、そんな親戚もいたのか、と思っていた。
でも、彼女の親戚、それにAがいたのだ。
つまり、彼女と僕は親戚、血の繋がる家族だった。
「まさか、藍沢さん、Aちゃんを」
なんて、変なことを考えながら、ため息をつく。
もうやめよう、と電源を切ろうとした時だった。
いきなりパソコンにメールが開く。
その内容はありえない内容だった。
件名 ありがとう
本文 わたしをかいほうしてくれてありがとう
差出人 Aila Aisawa
まさか、と思い、相手に返信しようと思ったら、このメールアドレスは現在存在しません、と表示され、顔から血の気が引いていく。
怖い、と思ったのは最初だけで、あとは優しい気持ちになっていく。
彼女は元気なのだろうか。
「__________元気に、幸せに」
そう呟くと、椅子から立ち上がり、猫のもとへ駆け寄る。
「元気よ、ありがとう」
そんな言葉がかすかに聞こえたのは、また、別のお話。
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真歩 - 涙が止まりません。 本当によかったです。 次の作品も頑張ってください。 応援してます。 (2015年10月8日 22時) (
レス) id: 01a2c26e2b (このIDを非表示/違反報告)
☆凛々☆(プロフ) - もう泣きまくりです・・・。本当に良かったです・・・！ (2015年8月6日 19時) (レス) id: 1301447d91 (このIDを非表示/違反報告)
みーたさそ - 涙がっ、涙が止まりません…。私達に感動をありがとうございます！七星さん！ (2015年4月8日 15時) (レス) id: 2f5b603178 (このIDを非表示/違反報告)
カルガモちゃん(プロフ) - もうすっごく泣きました！！涙止まらないですｗｗ終わり方がすごくよかったです！ (2015年3月25日 20時) (レス) id: 7f31314282 (このIDを非表示/違反報告)
七星(プロフ) - 明久(仮)@保留荘在住さん» ありがとうございます！そう言って頂けてすごく嬉しいです…！ (2015年2月28日 11時) (レス) id: e5d0af4b38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七星 | 作成日時：2014年1月20日 16時
