72話.un:cside ページ17
帰り道。
まだ寒い風が俺らの横をすり抜けていく。
天月の家からはまだ、優しい光がぼんやりと光っていた。
「じゃあね」「またね」と別れていく。
でも、俺は一つ確認を取らなければならない。
『司』
歌「..どうしたの？」
『ちょっと話があるんだ』
歌「あ、いいよ。みんな、またね」
コ「またね、司、望」
は「早く帰れよー風邪引かないように！」
大きく手を振ってあの二人は帰っていく。
俺は歌詞太郎の手をぎゅうと握り締めると小さく問う。
『司..お前なんか隠してるだろ』
歌「そんな..僕が何を？」
『何か知ってるんだろ』
歌「何って..死後の世界とか？それは興味あるかなー..でも知らないけど」
『黙れ！』
ついカッとなって叫んでしまった。
ここはあくまでも住宅街。大きく空気を吸い込んでまた小声に戻した。
『何か隠してるだろ。それは何なんだ。翔太に関わることか』
歌「..これは君が聞いても信じないだろうね。いいや、君以外、この世界が認めない」
『何を..まさか世界規模とはね』
歌「これは本当だよ。一部が研究してたりしてる。でも科学的根拠はまだ無いね。幽霊は」
『ゆう、れい？』
そう言うと歌詞太郎は「ああ」と一言だけ呟くとうなずいた。そして話を続ける。
歌「最初は本当に些細なことだった。かすかに聞こえた声..それだけだったんだ。その日はAちゃんの死んだあの日。病院で翔太君のいる処置室に入ろうとしたときからだった」
『..っ..それは..』
歌「Aちゃんだったよ。あの病院の出来事で守ってくれたのも、全て。一応勘付いていたけどちゃんと確認が取れたのはお葬式の日だった」
歌詞太郎が言うに、あの日、遅くまで手伝いをしていた彼はすすり泣く声が聞こえ部屋に入るとそれはAだったという。その姿は真っ白なノースリーブのワンピース。はだしで身に着けているとすれば左手に指輪。完璧なその身体は触れられないという。
そして歌詞太郎以外からは今その姿を確認できることもできなければ、声すら聞こえないという。
『それを..翔太には..』
歌「ああ、言ったさ。でも信じてもらえなかった」
そう言うと時計を見て「もう帰ろうか」と呟く。そして俺に忠告するように言った。
歌「これは嘘じゃない。本当なんだ。その事を心に留めて置いてほしい」
その会話を最後に俺と歌詞太郎は家へ戻った。
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真歩 - 涙が止まりません。 本当によかったです。 次の作品も頑張ってください。 応援してます。 (2015年10月8日 22時) (
レス) id: 01a2c26e2b (このIDを非表示/違反報告)
☆凛々☆(プロフ) - もう泣きまくりです・・・。本当に良かったです・・・！ (2015年8月6日 19時) (レス) id: 1301447d91 (このIDを非表示/違反報告)
みーたさそ - 涙がっ、涙が止まりません…。私達に感動をありがとうございます！七星さん！ (2015年4月8日 15時) (レス) id: 2f5b603178 (このIDを非表示/違反報告)
カルガモちゃん(プロフ) - もうすっごく泣きました！！涙止まらないですｗｗ終わり方がすごくよかったです！ (2015年3月25日 20時) (レス) id: 7f31314282 (このIDを非表示/違反報告)
七星(プロフ) - 明久(仮)@保留荘在住さん» ありがとうございます！そう言って頂けてすごく嬉しいです…！ (2015年2月28日 11時) (レス) id: e5d0af4b38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七星 | 作成日時：2014年1月20日 16時
