参拾伍 ページ40
こんな四十手前の男が、若い女を好いてもいいものか。
一歩間違えれば罪に問われるのではないか。
「そうか……二十……」
鋼鐵塚は悶々と考えていた。
「よく大人っぽいって言われるんですよ。年を聞かれて、吃驚する顔が面白くて」
Aはふふふ、と笑った。
指で唇を抑える仕草がより大人の雰囲気を醸し出している。
「そりゃ驚くだろ!お前みたいな綺麗なやつが二十なんて」
思わず出た言葉だった。
「へ……き、綺麗?」
「……え?」
今まで悪戯っ子の様に笑っていた顔が焦りと恥ずかしさに染まっていく。
「わ、私は、別に、綺麗なんかじゃ」
「……そんなことねぇよ」
鋼鐵塚はわたわたと動くAの手を握った。
Aには鋼鐵塚の体温が伝わってくる。
「お前は、綺麗だよ」
そう言われた途端、Aの顔が林檎の様に赤く赤く染まっていく。
「なっ、なっ……!」
じわ、と羞恥からAの目に涙が浮かんでくる。
「な、何言ってるんですか!嘘、や、やめてください!」
「嘘なんかじゃねぇよ!本当のこと言ってんだ」
「でも、で、も、思ってないでしょう!?そんなこと!!」
「いつも思ってるから言ってんだろ!!」
「!?」
Aは鬼殺隊である。
鬼と対峙するために、体を鍛えている。
故に、普通の男ならばいとも簡単に投げられる。
「うわぁぁぁー!!!!!」
Aは一瞬のうちに鋼鐵塚の手を振りほどき、胸ぐらと裾を掴むと背負投げをした。
「ぐはっ!!」
受け身を取り損ねた鋼鐵塚は地面に叩きつけられた。
「は、鋼鐵塚さんが悪いんです!!いき、いきなり、きき、綺麗とか言うから!!」
Aは何処かへと走り去ってしまった。
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五十土(プロフ) - NANAさん» ありがとうございます!ドキドキできるような感じを目指しているのでとても嬉しいです^ ^頑張ります! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 牙さん» 鋼鐵塚さん可愛いですよねわかります!癒されてくれてありがとうございます(?) (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - コハクさん» ありがとうございます!更新しましたのでまたお楽しみください! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
NANA - こんなに素敵な作品に出会ったのが久しぶりすぎて...ドキドキ止まりません...更新頑張ってください!! (2019年11月20日 16時) (レス) id: 714d999e70 (このIDを非表示/違反報告)
牙(プロフ) - 最近鋼鐵塚さんが可愛く見えて仕方ないので、この小説を読んでると癒されます!更新待ってます!! (2019年11月16日 1時) (レス) id: aea81487e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:五十土 | 作成日時:2019年5月2日 22時