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拾玖 ページ21

Aは屋敷内の一角の木の上で顔を抑えていた。

「恋、……?恋って……あれ……?」

鋼鐵塚を思い出してしまう。
その度に心臓が脈打ち、頭がグラグラと煮えるようだ。

「Aちゃん!ねぇっ!教えてー!」

「か、甘露寺さん」

木の下で甘露寺が手を振っている。

「ね、Aちゃん。一人で考え込むのは、つらいでしょ?私に話しちゃおうよ!ね!」

「う、で、でも」

「いいから!早く!!」

「は、はい〜……」

木から降りるとその根元に二人は座り、Aはポツポツと話し始めた。

「……初めて、会ったのが、炭治郎さんの、刀を打って持ってきてもらった時、で、」

「うんうん」

「私、昨日まで刀鍛冶の里にいたんです。そこで……また会って……
そしたら……こうなっちゃって……」

話していると、Aの顔がどんどんと赤く染まっていく。
それと同時に涙がポロポロと流れ出てきた。

「えっ!?、ど、どうしたの!?」

「ごめ、ごめんなさ、い。胸が、痛、く、て」

苦しい。こんな想いは初めてで。
誰かを想いだけで苦しくなることにAは全く慣れていない。
今までそんなことはなかったから。

「……Aちゃん、」

「はい……?」

「今度機会があったら一緒に刀鍛冶の里に行こう!!!」

「え……?」

「ね!!Aちゃんも私も今は仕事が入っちゃうけど、お館様に一緒ぐらいに許可もらいに行きましょう!」

「……はい?」

Aの涙が引っ込んでいく。

「え、え?あ、あの、え?」

「だから、Aちゃん、その時まで頑張ろうね!
あと、その時行ったら私にもちょっと紹介して!Aちゃんに悪いことしない人か、見極めてあげるから!」

「ん?え?あの、甘露寺さ」

「さーー!!仕事がんばろーー!!おーー!!!」

「お、おーー??」

甘露寺に後押し(?)をされたA。
心のどこかでまた、鋼鐵塚に会えるとわくわくしていた。

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五十土(プロフ) - NANAさん» ありがとうございます!ドキドキできるような感じを目指しているのでとても嬉しいです^ ^頑張ります! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 牙さん» 鋼鐵塚さん可愛いですよねわかります!癒されてくれてありがとうございます(?) (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - コハクさん» ありがとうございます!更新しましたのでまたお楽しみください! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
NANA - こんなに素敵な作品に出会ったのが久しぶりすぎて...ドキドキ止まりません...更新頑張ってください!! (2019年11月20日 16時) (レス) id: 714d999e70 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近鋼鐵塚さんが可愛く見えて仕方ないので、この小説を読んでると癒されます!更新待ってます!! (2019年11月16日 1時) (レス) id: aea81487e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五十土 | 作成日時:2019年5月2日 22時

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