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鋼鐵塚が包丁を持ち、竈門炭治郎を追いかけ回して一時間が経つ。
彼らが疲れるか、誰かが止めなければ止まらない鬼ごっこ。

「殺す……殺す!!」

「鋼鐵塚さん許して!!」

「許さん!!!」

「即答!!!誰か助けて!!!」

蝶屋敷の入り口からふんわりと藤の香りが漂う。
炭治郎は入り口に向かうところを鋼鐵塚は見逃さなかった。

「いぃぃいぃい鋼鐵塚さん待って!!ねぇ!!」

「殺す!!!」

「やめてぇええええぇ!!」

入り口の戸が開き、藤の香りが広がる。
ぽかんと口を開けた炭治郎が出てきた人物を見上げた。
鋼鐵塚は包丁を持ったまま(炭治郎に突きつけている)、その場で止まった。

「あら、来客様」

その女性は鋼鐵塚を見て言った。
他の人間が見たらひょっとこのお面をした男が少年に包丁を突きつけている、という危険な状況に驚愕するだろう。
しかし、女性ーーー鉄岡 Aは違った。

「炭治郎さん、刀を打ってもらったんですね」

「はい」

「で、今は何を?」

「え、えと」

「こいつが俺の打った刀折った!!!!」

声をかけられはっとした鋼鐵塚は再度炭治郎に包丁を突きつけた。
炭治郎は慌ててAの周りを駆けた。
それを鋼鐵塚は追う。

「許して!!!」

「嫌だ!!!!」

「許してください!!!!!」

すると突然、Aが笑い出した。
驚いた炭治郎と鋼鐵塚は停止した。

「ふっふふっ」

口を抑えて笑うA。何がおかしかったのか、二人はとんと見当がつかない。

「二人とも、小さな子供みたいで、ふふっ」

この笑った顔を鋼鐵塚は忘れることができないようになる。









「なるほど。那田蜘蛛山で刀が折れて、それで」

屋敷に上がった鋼鐵塚と鉄穴森。
先程から一言も喋らない鋼鐵塚に鉄穴森は内心焦っていた。いつもなら折った鬼殺隊の隊員を殴っているはずなのに殴りもせずに大人しくしている。それは異常なのだ。

「鋼鐵塚さんは炭治郎さんの刀を、鉄穴森さんは伊之助さんの刀を打たれたのですね」

「あ、はい」

「……」

おかしい。
おかしすぎる。
鋼鐵塚さんが何も反応しないなんて。
鉄穴森は鋼鐵塚の異常を先程よりも感じていた。

弐→←零



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五十土(プロフ) - NANAさん» ありがとうございます!ドキドキできるような感じを目指しているのでとても嬉しいです^ ^頑張ります! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - 牙さん» 鋼鐵塚さん可愛いですよねわかります!癒されてくれてありがとうございます(?) (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
五十土(プロフ) - コハクさん» ありがとうございます!更新しましたのでまたお楽しみください! (2019年12月14日 13時) (レス) id: a2d3564c6a (このIDを非表示/違反報告)
NANA - こんなに素敵な作品に出会ったのが久しぶりすぎて...ドキドキ止まりません...更新頑張ってください!! (2019年11月20日 16時) (レス) id: 714d999e70 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 最近鋼鐵塚さんが可愛く見えて仕方ないので、この小説を読んでると癒されます!更新待ってます!! (2019年11月16日 1時) (レス) id: aea81487e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:五十土 | 作成日時:2019年5月2日 22時

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