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私が生まれたのは、御三家の足元にも遠く及ばない、彼らがふっと息を吹きかければいとも簡単に消えてしまうような、そんな小さな家だった。
呪いだ術師だお家柄云々と、私がそれらを理解できるくらいになった時には既に、吹き消される前に己の芯の短さと、火の元にまで及んだ蝋の海で自滅しかねないほど窮地に追い込まれていた。
それほど貧弱なのに、すがるあても無いのに、
その火を絶やしてはならないと躍起になる理由だけは未だに理解出来ていない。
___御三家の一つ、現代最強を目の前にすれば尚更
私が性別を偽っている理由は簡単だ。
不幸にも、お家に男の子が産まれなかったから。
女は舐められる、力を手にし得ないからと、私に男として生きる道を強いた。
なら手っ取り早く老いぼれの爺様達が何とかしろよ、とは口にすることなんて出来ず、ただその命を受け入れた。
歯向かえば死。
受け入れたところで、これまた術師である限り死は避けられず。
ならば残された時間を少しでも自分らしく生きてみたい、と望んだ。
男の姿で自分らしく、なんて。
笑える話だけれど。
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作者名:およめさん | 作成日時:2021年5月9日 0時