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夜廻47.薄っぺらな僕だった ページ10

でもAちゃんの異能力を勝手にばらす
訳には‥‥!


「か、勘です!」

「ふーん。勘ねぇ」


江戸川が夏の事をじっと見つめる



これ、絶対に嘘だってばれてる‥‥



冷や汗をたらす夏から目を外し、江戸川は
言葉を発する


「まぁ確かに、殺されてる可能性は少ないと
思うよ」

「なんで分かるんですか!?」

「んー 秘密」


叫ぶ谷崎に、江戸川は興味無さそうに口に飴を放り込む


それを見た夏は、
泣きそうな顔で一同を見回した



「お願いします!Aちゃんを助けて下さい

私が依頼しますから!」


お願いします、お願いしますと繰り返す夏


普段は勝ち気な若緑色の瞳がゆらゆらと揺れる



「そうは言ってもだな‥‥」


国木田が言い淀む

ポートマフィア相手は、流石に分が悪いのだ

そんな中


「Aはポートマフィアにさらわれたん
ですよね?」

「え‥‥」

夏の横を通り抜け、出口に向かう者がいた



「!? おい、小僧!」


中島 敦



「何処へ行く気だ!?」


「何処って、ポートマフィアへ」

「正気か貴様!?」

「僕は至って正気です」



くるりと此方を振り返った瞳に、国木田は
目を疑った


これが、本当にあのへたれた小僧か


黄色と紫の双方は射抜くような光を見せ、
怒りを押し殺しているような感情が見え隠れ
する



「僕はAが怖い時、そばに駆けつけるって
約束してるんです

Aがポートマフィアに酷いことをされて
いるなら僕はゆるせない」



__探偵社は僕を見捨てなかった!


泉を助けた時の敦が頭をよぎった

あの時も決心した顔をしていた敦

「ここで彼女を見捨てるなら、きっと僕は
酷く薄っぺらな存在だった

どうあがいても社会の塵のような

それだけの存在だったって事です」


うつむき噛み締めるように言葉を紡ぐ敦の前に進み出る者がいる



「‥‥鏡花ちゃん‥‥」

「私も、行く」

彼女は懐に短刀があるのを確認すると、顔を
上げた


「私は、Aの友達

私だってAが大切。

約束は何もないけど、ないならこれから
作る

敦にだけ良い顔なんてさせない」


「僕だってAの友達だから

それに、僕だってこれからたくさん約束
するし」

「どっちが多いか、競争、する?」



歯止めが効かなくなり始めた新入りコンビに、国木田は頭を抱える


その横を通りすぎ、太宰が二人の腕を掴んだ


「待ちたまえ、二人とも」

「‥‥何するんですか、太宰さん」


敦はきっと顔を上げた

夜廻48.無計画→←夜廻46.探偵社、考察



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りんず(プロフ) - ユイさん» ユイ様、コメントありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです! (2018年4月8日 10時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - おもしろかったです (2018年4月8日 1時) (レス) id: e31a251f71 (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - 「名もなき贖罪の銃士の少女」さん» ありがとうございます!(^-^) (2018年4月4日 20時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
「名もなき贖罪の銃士の少女」(プロフ) - 良かったです!これからも頑張って下さい! (2018年4月4日 20時) (レス) id: bb589a0fac (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - 「名もなき贖罪の銃士の少女」さん» 「名も無き贖罪の銃士の少女」様、イメ画ありがとうございます!とっても嬉しいメッセージまで添えて頂いて、にやけそうになりましたが、自分で足を踏んづけてこらえました((近々載させて頂きます!本当にありがとうございました! (2018年4月4日 20時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんず | 作成日時:2018年3月16日 19時

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