みんなの俺と、誰かのあなたを

episode.28 ページ29

side 名前



辰哉さんを送ってから


次は私の家


............の、はずだった



阿「今日本当にふっかと2人？」



突然の亮平くんの質問に


私は首を振った



「なんかね、辰哉さんのお知り合いの方とたまたま会って、4人だったよ」

阿「男の人？」

「うん。」



そう言うと分かりやすくほっぺを膨らまして拗ねる彼


そのほっぺをつんつんして



「嫉妬ー？笑」



なんて笑ってると


ぱっと手を掴まれて


そのまま恋人繋ぎされた



阿「家まで送るのやめた。今日俺ん家ね」



滅多にない強引な亮平くん


だけど、嫉妬してくれていることと


繋がれた右手に幸せを感じすぎてしまう



「...、うん、」



顔が良くて


仕事もできて


身長も高くて


とても優しくって


老若男女みんなに好かれてしまう彼


そんな人が


私を愛してくれること、


これ以上の幸せってきっとない



「亮平くん」

阿「ん？」

「大好きだよ」



信号で止まる車


亮平くんは私にそっとキスをした



阿「あのさぁ、運転中に危ないでしょ！」

「え、？」

阿「急に可愛いこと言うの禁止！事故る！」



照れ笑いしながら


危ないから！って怒る亮平くん


意味の分からないお説教に


また愛おしさが溢れてしまう



阿「俺も、大好き」



そう言われてもう一度唇を重ね


青になった信号のせいで


亮平くんはまた前を向いた


こんなに幸せなんだ


それは、目黒さんのことなんて考えられないよね


ちょうど亮平くんの家に着いたころ


目黒さんからLINEが来ていた


私はそのLINEをぱっと返して



阿「名前」

「んー？」

阿「おいで？」



甘い亮平くんの声に飛び込んで


優しく抱かれていた

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