みんなの俺と、誰かのあなたを

episode.24 ページ25

side 名前



深「じゃあ俺先行っちゃうよ？」

「はい！なるべくすぐ行きますー」

深「ほんっとに手伝わなくていいの？」

「大丈夫ですって笑」



辰哉さんに飲みに誘われた日


終わらない仕事に追われてる



深「早く来てね？」



そう言い残して辰哉さんは出て行った


意外と早めに仕事が終わり


片付けて帰る準備をして


呼んでいたタクシーに急いで乗り込む



辰哉さんが飲みに誘ってくれるといつも連れて行ってくれるBAR


舘さんがいるから、なんとなく落ち着いてしまう雰囲気が好き


ただの家のように見える扉を開けると


そこに待っていた辰哉さん



宮「あ、いらっしゃい」



舘さんも相変わらずで


やっぱり落ち着く



深「お疲れ。片付いた？」

「はい！すいませんお待たせしちゃって、」

深「全然いいのよ〜。ほら、座って」



辰哉さんに隣に座るように促されて


カシオレ下さい、と注文する


また可愛子ぶってるなんて辰哉さんにつっこまれそうって思ったけど



深「じゃん！俺の可愛い後輩ちゃん！」



なんて、突然隣に座ってた方たちに紹介された


店内が薄暗いせいか、顔はよく見えないけど



「初めまして！……辰哉さんのお知り合いですか？」

深「そうそう。高校の同級生だよ」

渡「初めまして、渡辺翔太です」

「あ、木村名前です」



翔太さんは、辰哉さんの口から何度か名 前を聞いたことがあった


ただ、隣にいる方は


なんとなく見覚えがある


女性か男性かも分からないけど、



深「？ 翔太のお隣さんは？」

渡「俺が担当してる子」



担当？


翔太さんってオタクなのかな？


じゃあアイドルの子とか？なんて


呑気に考えていた脳内お花畑の私の前に


スラッと立つ影



「あ、………」

目「お久しぶりです。」



間違いなくそこに居たのは


あの日、酔っていた彼だった



目「目黒蓮です」

「…………木村、名前です、」

目「約束、覚えてますか？」



彼の言葉に頷いた


"連絡先を交換する"って約束だよね


まさか本当にもう一度会ってしまうなんて思わなかったから


守るつもりなんてなかった約束



渡「目黒」

目「はい」

渡「知り合いなの？」

目「この間のパーティーの時、酔ってる俺を介抱してくれた方です」

渡「へぇ……、」



なぜか私を睨む翔太さんに


辰哉さんがフォローしてくれた

episode.25→←episode.23

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す