みんなの俺と、誰かのあなたを

episode.18 ページ19

side 翔太



目「この間のパーティーの時、酔ってる俺を介抱してくれた方です」

渡「へぇ……、」



ピリついた俺に気がついたのか


ふっかがまぁまぁとなだめてくれた



深「せっかくだしさ、4人で飲む？」



そんなふっかの提案に


俺は賛成できなかった


どうしても、彼女を信用出来なくて


そう思ったけど



「"目黒蓮"さんって、有名な方なんですか？」



その彼女の言葉で俺の不安要素はぱっと無くなり


4人、というよりかは、ふっかと飲んでいた


涼太が気を利かせてくれたのか


目黒は木村さんと楽しそうに話していた



渡「なぁふっか」

深「ん？」

渡「木村さんってどんな人？」

深「んーとね。翔太が思う100倍いい子」



あれもこれもと指折りながら色々言った挙句



深「びっくりするほど素直なの。小学生よりもピュアなんじゃないかってくらい。」

深「なのにね、自分をしっかり持ってて、人を魅了してしまうところがある。名前と営業行くと失敗することはまず無いね」

渡「へー。めっちゃ褒めんじゃん」

深「そんだけの子なのよ。名前は」



うっとりした目のふっかの視線を追いかけて彼女を見ると


最近では見かけない


笑顔で、心の底から笑う目黒がいた


…………あぁ、そっか


目黒はきっと、彼女に惚れたんだ


1ヶ月前、俺の知らないところで


そんなのがすぐに分かってしまう目黒も


かなり分かりやすい、素直なやつだと思う



深「翔太の言いたいことも分かるよ。今大事な時期にスキャンダルが出るの、怖いよな」

渡「……、いや、別にね。目黒のプライベートにまで口を出したくはないのよ。」
渡「そう、本当に、今大事だからさ、」



俺だけでは絶対に目黒を守ってあげられない


だから、怖い


彼女となんかあったとして


最近みたいに仕事に支障が出ると


目黒の評判は落ちてしまう



深「んー、、、ないと思うけどなぁ、」

渡「なんで？」

深「いやまぁ、笑 名前だって人だからね」



ふっかの意味深な言葉は理解出来なかった



それと、なんとなく、俺は木村さんに見覚えがあった


初めましてではない気がしていた


どこかで会ったっけ……、？



深「なぁべ。なぁんでそんな難しい顔すんのよ〜。せっかくなんだから楽しく飲もーぜ？」



だて〜もう一杯〜、と


陽気に喋るふっかにつられて


今日だけは、難しい事を考えるのはやめることにした

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