episode.31* ページ31
side 佳奈
名前が辰哉さんを諦めるしかない状況にいるのはよく分かった
だけど、そんな辛い結末になることある？
ずっと自分だけを見てくれないまま
気持ちを伝えることすら出来なくなるなんて
「それとね、1番最悪なのは、お兄ちゃんにバレちゃったの」
佳「えっ、なんで？」
「分かんない。ビンタされそうになった時、お兄ちゃんに助けられた」
「どうしよう……。絶対心配かけてる」
辰哉さんと関われなくなっちゃうことよりも
お兄さんにバレてしまったことの方が最悪って言えちゃうとこ
家族思いすぎるんだよ名前は
佳「でも名前は悪くないよ」
「ううん。私が辰哉くんのことを好きなのが悪いの。私が辰哉くんに甘えたから」
「それに、お兄ちゃんが傷つく」
ずっと泣くのをこらえてる名前
私の前でくらい、正直になってよ
いつまでも冷静で居続ける名前には
私なんて必要ないのかな
もう少しくらい、弱いとこ見せてよ
「私がしていることって、人を傷つけてばかり………」
佳「……あ、ちょっと待って」
制服のポケットのスマホが震えたような気がして
その画面に浮かぶ文字は"涼太"
佳「え、涼太からだ。珍しい」
佳「もしもし？」
宮『あ、佳奈。今名前と一緒？』
佳「一緒だけど……、どうかした？」
涼太は小学校からずっと一緒
翔太くんとは小学校とかが違うから高校に入ってから2人が幼なじみって知ったけど
私も涼太の幼なじみ
宮『あ、いや。翔太がずっと名前がいない名前がいないって探してたから。連絡もつかないみたいで』
電話の奥で翔太くんが
"名前いたの？？おいっ、涼太！"
って焦ってる声が聞こえてきてる
佳「笑笑 大丈夫。私が今名前といるから。名前は今日、学校行かないと思う」
宮『そっか、分かった。翔太が珍しくすごい焦ってたから俺もびっくりしてさ』
"おい、余計なこと言うな！"って
翔太くんもきっと心配してたんだね
佳「ふっ、そうなんだ笑 名前は私が責任もってなんとかするから、安心してって翔太くんに伝えといて」
宮『分かった。それだけだから、じゃあ』
佳「うん、ばいばい」
佳「名前、翔太くんの連絡返してあげて？笑」
「えっ、あ……、気づかなかった、笑」
急いで文字を打っている名前の横顔は
本当に綺麗で寂しそうで
いつか心の底から幸せって笑ってほしい
私にその手助けが出来たらいいんだけどな
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ぺなち - 翔太くんいじらしい笑笑 キャラ全員かっこいい！康二くん推し！ (2022年8月5日 15時) (
レス) id: 1e62b7e17f (このIDを非表示/違反報告)
るる - やばい、面白すぎる。 (2022年8月5日 15時) (レス) @page13 id: 1e62b7e17f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わなべ | 作成日時：2022年2月6日 19時
