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ああ、これだ。
真っ赤で泣きそうないのちゃん。
俺しか見えない、超絶かわいいバージョン。
「…そんなの、選べるわけ、ないじゃん…」少しだけ間があいて、いのちゃんが震えている声で返事してくれた。「だっ、だって、どっちも大ちゃん、だもん…」
その返事で胸がきゅうってなった。
なにそれ…“だもん”って何なんだよ…あざとすぎて無理…!
カッコつけたいのにドキドキしちゃって、こっちが心臓やばいって!!
「その答え、百点満点ね。」なんとか平静を装って、いのちゃんの唇に浅いキスを落とした。「帰ってきたらご褒美あげるから、仕事、頑張ってこいよ」
こうやっていのちゃんを送り出すと、俺はそのまま玄関でしゃがみ込んだ。
恥ずかしいのと嬉しいのと興奮したのが、一気に沸き起こって、軽いパニック状態に陥って。
やっぱりいのちゃんのカッコよさには敵わないな…と、思いきや、ドアの向こう側からいのちゃんのひとりごとが微かに聞こえた。
『だから、オス岡さんやばいって…』
…だって。
その後いのちゃんの携帯が鳴って、たぶんマネと電話しながらバタバタと遠ざかったその足音を聞いて、口もとが思わず緩んだ。
仕返し大成功ってことで、いいよね?
-fin.
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作者名:yoku | 作成日時:2019年3月3日 23時