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縋り付いてたからぴょこんっと跳ねた前髪を梳かし、いのちゃんのおでこに、ふるふるしてる瞼に、鼻先に、すべすべな頬に順番に口付けてから、少しだけ距離をあけて顔を眺める。
やっぱりくまがひどいな…いのちゃん肌白いから余計に目立つじゃん。今日はロケだからいつもよりメイク薄くなるだろうし大丈夫かな…なんてことを考えて指を涙袋に這わすと、待たせすぎたか、『むむっ!』ってまたせがんできた。
「わかってるよ、焦るな」と耳元で囁けばビクッと体が震えたのもかわいいなぁ。
上から見る、目閉じているいのちゃんは、なんだかすごく従順で小動物っぽく見える。
訳の分からない優越感と征服感に駆られ、自分が(多分相当気持ち悪く)にやけているのは知ってても止められなく、前かがみになってキスを落とすと、
「、んっ?!!」
唇が重なった瞬間、腰に巻き付いてる腕にぎゅって力が入ったと感じて、いのちゃんの方向に引き寄せられ、前屈姿勢のためバランスが簡単に崩れ、俺はそのままいのちゃんの懐に収まれた。
啄むようなキスをするつもりだったのに、無防備だったから口の中にいのちゃんの舌がするりと入り込んで、あっという間に先手が取られてしまった。
舌と舌が絡み合って、貪るように唇が吸われて、急に上昇した体温に思考能力が奪われて。
距離を保とうといのちゃんの胸板をグイグイ押してみたんだけど緩めるどころかもっと強く抱きしめられ、おまけに後頭部が片手で抑えられて逃げられなくなって、何回も角度変えながらキスしてくる。
目開けてもないのに何でそんなに器用に動けんの?
それに、切り替えが速えって…!
さっきまで素直で大人しかった子猫が突然狼に変身したみたいで、ついて行けねえよ…
深く、長く、でも優しくしてくれる甘いキスから、息苦しくなって頭の中がくらくらし始めた頃、ようやく解放してくれた。
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作者名:yoku | 作成日時:2019年3月3日 23時