【題名のない物語】in x ar (ページ22)

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「大ちゃん、本当に何でもしてくれるの？」

「おう、できるもんならしてやるよ」

「すっごくしつこくなるよ？」

「いつもと変わんないけど？」

「…たくさん甘えても、いいの？」

「…おっけーだよ。とことん甘やかしてやるよ！」

「いやネタ振ってるわけじゃないけど…」
『さすがだね』ってまつ毛を伏せて笑ういのちゃん。

「大ちゃん…もっかい、キスして？」
だいぶ血色が戻った唇を自分のと重ね合わせて離したら、今度は「…ぎゅうってして？」ってねだってくる。

だからその上目遣いダメだって。ぜったい確信犯。

わかってても落とされた俺も俺だけどな。

「ぎゅうってするのはいいけど、今日はそこまでだよ。ドクターストップ。」
このまま流されると変な展開になるかもって予感からの念押し。これに対して
「ほぇ？名取せんせいに抱っこされるの？」って、また目をキラキラさせたいのちゃん。

「いや有岡だけど？つーかさっきから何なんだよ？有岡より名取のほうがいいの？」

「ふふっ、大ちゃん妬いてるの？まさか自分に？」

「妬いてるよ悪いんかよ。言っとくけど、そいつにも結構妬いてっから」

そこに転がってるぬいぐるみを指さしたら、いのちゃんの目線はそっちに向かって、
「…そいつとかいうのやめて。だいちゃんかわいそう」モコモコしてるクマを手にとって抱え込んだ。

確信犯すぎる。