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…ん?ちょっと待ってよ?
「現場で食わせる物?食う仕事って何?」
「ほぁ?だからめざましとかメレンゲとか?あといたジャンとか?」
「…んだよ全部じゃねえかよ!具合悪いときくらいいい加減休めよ!」
「そんなのできんかよ…大ちゃんならできる?体調悪いから休むってワガママ言える?」
うっ…言われてみれば、できない、かも。
風邪の経験しかないからわかんないけど。
「しかもさ…食レポしなくなったら俺のキャラ、ヘンタイとポンコツしかないよ?さすがにやばくない?」
またヘラヘラ笑い出して、でも苦笑いにしか見えないいのちゃんを見て、急に鼻の奥にツンとして、それと同時にまた抱きしめたくなって。
もしかしたらいのちゃん、自分のキャラ作りについてずっと悩んでる?だからストレス溜まって病気になったんじゃないの?何でいつも一人で抱え込んで自分を追い込むんだよ…昔からそうだけど、いのちゃんの悪い癖だよ?
俺に言ってくれれば…少しでも分担させれば…
いや、そう言う前に、
何も気づかなかった俺、やっぱり最低だった。
突然湧き上がってきた情緒や疑いに戸惑われて、どんなリアクションしたらいいかを躊躇うと、
「大ちゃん、」
いのちゃんに呼ばれてふと我に返る。
「大ちゃんは悪くない。何も悪くないよ。かっこつけて黙ってた俺がいけなかったの。」
ごめんね?って、ひんやりした手のひらで俺の頬を包みながら囁く。
きれいな目から溢れ出そうな優しさに、溺れそう。
なんで分かるの?俺が考えてること、声に出てないよ?
いのちゃんって人の脳内でも読めるの?
「ふふっ、百面相大ちゃんかわいい。」頬から感じた温度が消えると、今度は頭が撫でられた。「大ちゃんの考えてる事ぐらい分かるよ。もう何年見てると思うの?」
目を細めて微笑んでくれる。
またか。またそうやって誤魔化そうとするのか。
もうそうはさせないよ?
言いたいこといっぱいありすぎてどこから話せばいいかわかんない。
でも今ここで全部話したい。
全部、話さなきゃ。
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作者名:yoku | 作成日時:2019年3月3日 23時