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…ん?どういう意味だ?
俺に見せられない顔って何?
「言ってることがわかんないけど…」
「だから…!」もうどうにでもなれって感じで、おまけにやたら早口で言い出して、「この絶賛むくみ中で顔色悪くて超絶ブサイクな顔大ちゃんに見られるの嫌なの!」
さっき飲んだ薬が効いたのか、くぐもった声はいつものマシンガントークに戻った。
…だっせーから言わせんなよ…
なんで今日きたんだよ、コンディション最悪の日に…
だの。
「ちゃん…」
心配かけたくないのになんで来たんだよ…
だの。
「いのちゃん、」
こんなぶざまな様子見られるの嫌なんだよ…せめて大ちゃんの前ではカッコイイいのちゃんでいさせてよ…
だの。
ブツブツ言ってる途中だんだんパニック状態になりつつ、何回も声かけてみたけど聞こえないようだった。
いつも飄々としててどんなシチュエーションでも冷静ないのちゃんがこんなに混乱してるのを初めて見た。
しかも、“大ちゃんの前ではカッコイイいのちゃんでいさせて”って…黙ってた理由ってそれ?
…不謹慎なのわかってるけど、カワイイ。
メッチャクチャカワイインデスケド。
「けい。」
そろそろ俺の話を聞いて欲しくて、小さく屈んでいるいのちゃんに低い声でそう呼びかけて、そしたら案の定、
「…ほぇ?」って、ひょいと見上げた。
名前呼び。いのちゃん相手にこの手ははずさない。
やっとこっちに向いてくれた。
きょとんとした顔もかわいいな。
でもやっぱり顔色良くないな。
そう思いながら両手でいのちゃんの頬を包むと、そのまま近づけて、唇を重ねた。
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作者名:yoku | 作成日時:2019年3月3日 23時