２５ ページ25
樹side
とあるバーのカウンター席。
俺はグラスに注がれた酒を少し飲むと、スマホを開く。
最近の顧客リストを見ながら、ぼーっと考え事をする。
樹「……皆考えることは同じか、」
カラン〜
気持ちの良い鈴の音がする。
隣に1人の少女が座る。
少女、というよりかは女子高生に近い。
「なにが同じなの？」
地獄耳かなんなのか、さっき俺が口にした言葉について聞き返す。
樹「……知りたい？」
「……お金？」
樹「君には特別だよ。なんてったって、俺のお気に入りだからね。」
「それはどうも。」
そういうと、彼女は用意されたコップに注がれた液体を飲む。
樹「今日はあのゴスロリみたいなヤツじゃないんだね。」
「ゴスロリとか言わないでくれない？あれたぶん、辰哉くんの趣味」
樹「その言い方も良くないよ」
彼女の言葉に思わず吹き出しそうになる。
「で、なにが同じだって？」
樹「……皆の考えてることが。」
「……皆樹を頼ってるってわけね」
樹「おかげさまで商売繁盛だよ。」
「それはなにより。」
彼女がそういうと同時に、彼女のスマホが鳴った。
樹「はい、どうぞ。」
彼女は通知の中身を確認すると、微笑しながら頷いた。
「うん。ありがと。さすが樹だよね。」
樹「君に褒められるのが一番うれしい」
「はいはい嘘ばっか」
俺の言葉を軽く受け流すと、カウンターに置かれた飲み物を飲む。
樹「……で、いつになったら返事くれるわけ？」
俺はコップを眺めながら言う。
「……何のことだっけ」
樹「またとぼけてるし。俺と一緒に働かない？って。ずっと誘ってるじゃん。」
「……そんなこと言われたっけ、」
樹「覚えてないようなら何回でも言うけどさ。俺は結構本気だよ。」
「……辰哉くんたちのこともあるし。」
樹「……絶対俺たちと一緒にやった方が楽しいと思うんだけどなぁ〜」
チラッと彼女の方を見る。
樹「てか、今日は辰哉くん大丈夫だったわけ？」
「優吾に内緒で送ってもらったの。」
樹「さすがだな。」
彼女は席から立ち上がり、座っている俺を見下ろす。
「……あ、危ない遊びはやめておいたら？」
彼女は思い出したかのように俺に向かって言った。
それはつまり、あのことだろう。
樹「心配ありがと。……でも俺、危険な遊び、大好きなんだよね。」
俺が笑って見せると、呆れたかのように彼女は笑った。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←２４
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 432人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆーり(プロフ) - 続きがとても気になります！！更新待ってます！！ (2月3日 15時) (
レス) @page25 id: d33056d72c (このIDを非表示/違反報告)
にふらー__病み期突入(プロフ) - すのうHIINAさん» 悪女系大好きなんですよ(( こちらこそよろしくお願いします、!!!笑笑 (6月11日 0時) (レス) id: 0af72557f7 (このIDを非表示/違反報告)
すのうHIINA - 未優さん» ありがとうございます！！悪女読んでいただいてたんですね！！すごく嬉しいです！！みっちーは結構重要キャラなので、ぜひ注目していただけると嬉しいです！！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: 1662122533 (このIDを非表示/違反報告)
すのうHIINA - 桐山ななみさん» ありがとうございます！！頑張って更新しますので、どうぞこれからもよろしくお願いします！！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: 1662122533 (このIDを非表示/違反報告)
すのうHIINA - にふらー__病み期突入さん» 笑笑 そんなに読んでいただいてるんですか！！めちゃくちゃ光栄です！！すごく褒めて頂けて……めちゃくちゃ嬉しいです！！これからもよろしくお願いします！！ (2023年4月6日 11時) (レス) id: 1662122533 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すのうHIINA | 作成日時：2023年1月29日 9時
