論破させないもんね。【青】

破 ページ2

ころんside


『行きたい？』
こ「え、あ、いや...」


行くならば、僕はAとデートだ。
映画館デート。
誰しもが憧れるデートスポット。

行くっきゃ無いっしょ...


当の本人は割引されるから誘っただけだと思うけど。
それでも僕は嬉しい。


こ「...せっかくなら行こうかな」
『あ、行く？じゃ明日の放課後行こ』
こ「お、おう...()」


明日？？？
服とか髪型とかどうしろと？？


こ「え……あ...」


僕が何かを言う前に、Aはもう既に本を読み始めていた。

僕は腕組して考える。


洋服...まともなのあったっけ。
僕基本家はジャージか制服かスウェット。

デートに来ていけそうな服なんて無い


うわぁぁ

当日、おめかししたAに比べてThe部屋着の僕。
Aが呆れる未来が見えるよぉ...


ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ


チャイムが遠くで聴こえるなぁ



先生「おい、おいころん！聞いてるか？」
こ「えっ...」


先生に指摘されて気づいた。

もう授業始まってんじゃん！


Aを見るとすまし顔。
教えてくれても良かったのに...


はぁ。ホントどうしよ。



ぐるぐる……


うぅ、頭がこんがらがっちゃうよ。
今が人生で一番考えたかもしんない。



先生「それでは一限目を終わります」


あ、終わったあ
全然聞けなかったよ……


デートって大変だね...


机に顔を伏せる。
冷たい……


さ「おーい。ころん何やってんの。」
こ「さとみくん...！」


僕に話しかけてきたのは、クラスメートのさとみくん
そうだ。僕にはまださとみくんが居る！

諦めるなころん！


こ「ね、さとみくん。今日うち来れる？」
さ「いいけど、どした？」
こ「えっとね……」


Aに聞こえないようにひそひそ囁く。

僕はさとみくんにAと映画に行くことになったから、お洋服を決めて欲しい、と言った。


あ、勿論Aが好きっていう所は隠したよ？


さ「wwwwお前wwwがwwwデートwww」
こ「だーかーらー！デートじゃないし！」
さ「遂にころんも大人の仲間入りか……w」


真面目……な顔で呟くさとみくん

まだ付き合ってないからデートって言わないし


さ「それにしても神崎Aとか……
良い奴をゲットしたな、ころん。」
こ「アレが、良い奴？？」
さ「ころんお前、知らねぇの？」


さとみくんは教えてくれた。


さ「神崎Aはなぁ、この学校のマドンナって、呼ばれんだ。あの容姿見たら分かるだろ？
今や校内中がAを狙ってるぜ。」


えぇ……


さ「まぁ、狙ってる奴に負けないコーディネートしてやるぜ！」

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