論破させないもんね。【青】 (ページ1)

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論ページ1

※基本ころんくんside

こ「おっはよぉぉぉ！」

朝。眠いが元気だけが取り柄の僕は、声を上げて教室に入る。

「おはよ」
「今日も元気だねー」

所々友達と会話しながら席に着く。
そしたら早速クレームが。

『ころん、煩い』

耳を塞ぎ、神経質そうな顔で言う彼女の名は「神崎A」

眼鏡をかけて大人しそうだけど、見た目に惑わされちゃダメ。

こ「僕が煩い？？
Aの耳がおかしいんじゃない？？耳鼻科行く？」
『お前が行け。アンタは耳が壊れてるから自分が煩いってことに気づけないの。』

実際はこんな毒舌...
隣の席になって、僕がちょっかいを出すとこの調子。

大抵論破される。

だから僕は、Aが論破出来ないような事を日々考えるようになってしまった。
Aって、僕を挑発するの上手いもん...

それで、考えてる内に僕...
Aの事が好きになっちゃったんだよね...

ショート×眼鏡は可愛いからかな。

勿論中身も好きだよ？
嫌々言いながら、僕に構ってくれるとこ。

頭いいし..

それでいつしか恋心を抱くようになった。
告白はしない。

いや、考えてみ？！

言えるわけ無いじゃん！！！
いつもちょっかいかけてんのに。

告白したら、あの冷たい声で『は？』って言われるだけだもん！

だからAが論破出来なくなったら僕は告白するもんねっ。

『一人でなに百面相してんの？おーい』
こ「うるっせえなw」

でも、こんな関係も嫌いじゃない。

振られて、気まづくなってこんな風にポンポン話せなくなったら嫌だもん。

横目でAの顔をチラ見する。

『……何見てんの』
こ「うげっ」

ば、バレた...いや、普通に凄。
ほんの少し目を向けただけなのに。

Aは読んでいた分厚い本を置き、こっちに向き直った。

『ころん、アンタさ。
映画とか興味ある？』
こ「は、え、どういう...」

突然すぎる質問にうろたえる僕。
Aは制服の胸ポケットから2枚の紙を取り出した。

『あのね、私の親戚のおじさんが映画関係の人なんだけど。今日上映される映画の割引券をくれて。
で、このチケット...』

そう言いながらAはチケットに太文字で書かれているところを指さした。

僕も読む。
えーっと...

こ「男女で行くと更に割引？？
これがどしたの」
『いやー、この映画すっごく見たいからころん一緒に行ってくれないかなあって。』

「映画のお誘い」
「つまりデート」

この二言が僕の頭でネオンカラーをまとって光っている。