クズでも生きてて良いだろ？【紫】

ズ ページ2

Aside



『.......』



目が覚めると、見慣れた白い空間。

体を起こそうとすると、また下半身がズキズキして起こせない。


ここ、病院か。どうリで消毒液の匂いがする訳だ。



あーあ。また逝けなかった。

ほんっと、最悪。



精一杯、目線を下に下げて今の自分の状態を探る。



うわ〜、引く程大量のチューブが付けられているんだが。

オマケに口には酸素マスク。

ちょっと息苦しいかも。



私は手を伸ばしてナースコールを押す。



今日の担当も、いつもの看護師さんがいいな……。




ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｯ



笹「Aちゃんっ？！起きたっ？！
大丈夫？！」
『あー……うん。』


この看護師さんは「笹野亜由」さん。

私が飛び降りる度に、私の担当になってくれてる人。



笹「もー……。何回心配かけたら気が済むの。彼氏くんも心配してたわよ？
「また、Aが飛び降りたのか」って。」


え。なーくん、私が死にたいこと知ってたんだ。
流石彼氏。



『ふーん。で？
私、今回も下半身骨折？』


ごめんけど、あんまなーくん興味無い。

告られた時もノリでOKしちゃったし。



笹「えぇ、そうよ。全治2ヶ月の軽い方。
まったく……懲りない子ねぇ、ホント。」



私は懲りないよ。

だって、クズだもん。


クズは、諦めが鈍いの。残念ながら。



ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ



『るさ……』



その時、扉をガンガン叩く音がした。

誰ですか？家のお母さん？



笹「はーい。
Aちゃんのご家族様ですかー？」
な「いえっ。彼氏の紫咲七斗、と言います。」


なーくんじゃん。

来ちゃったの？来ないでよ……。



『ごめんけど、帰っt笹「入っていいわよー」



ちょっ、亜由さん……やめてよ。



な「A！！
大丈夫？？ホント心配したんだから……」



私の前で、へにゃあと座り込むなーくん。

その姿を見ると、治った後も飛び降りる行為に罪悪感がある。


まぁ、やめないんだけど。



笹「それじゃ、カルテ書いたし。
後はごゆっくり〜」
『亜由さんっ！』


なーくんとは付き合ってせいぜい1年。

この事も、なーんにも言えてない。


2人っきりにしないでよ……。
気まづいから。



な「A？
これ、今日で5回目だよね。ホントやめようよ。」
『何で知ってるの？』



考えるより先に、その言葉が口から飛び出ていた。


な「一昨日病院から連絡が来て。
それで行ってみたらAが死にそうな顔で眠っててさ。それで全部、あの看護師さんに聞いた。」

で→←ク

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