◎雪解け(re) ページ21
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Fukazawa side.
Aが倒れた。
音楽番組でのパフォーマンスの後、楽屋に戻る途中で。
最後尾を歩いていたAが立ち止まったことに気づいたのは阿部ちゃんだった。
振り向いて、呼び掛ける声はいつも通り。
ただ、2回目の呼び掛けはボリュームも大きく激しかった。
俺がそっちを向いた時には、どさり、という音と、宛なく伸ばされた阿部ちゃんの手だけが見えていた。
幸い、膝をついたことによる痣以外にAに外傷はなかった。
運ばれた病院で簡単な検査を受けても身体の異常はみられない。
なら、倒れた理由はひとつしかないわけで。
今、ベッドで静かに寝息をたてるAを前に、俺の心配は病室にいるもう一人へ向いていた。
深澤「阿部ちゃん」
阿部「…ん？」
深澤「代わるよ。ちょっと外の空気でも吸って来たら？」
阿部「あー、うん…大丈夫。今は傍にいたいから」
握られた手はいつになく白く見える。
脱力しきったそれはまるで生気を失ったようで、そんな考えが頭を過ぎったことに慌てて頭を振った。
深澤「…阿部ちゃんまで倒れたら、俺がやばい。頼むよまじで」
阿部「俺は倒れないよ。倒れそうになったらちゃんと言うし、一人で抱え込んだりしないから」
あぁ、怒ってんな。
そして、それ以上に悲しんでいる。
当たり前か。
一番大切な仲間を、自分にとっての最愛を、目の前で失うかもしれなかったんだから。
阿部「ふっか」
深澤「…ん？」
阿部「Aは…ふっかに何か言ってた？」
深澤「…いや、なーんも。ここ最近のことは何も聞いてない」
阿部「そう。なら、ちゃんと説教しないと」
深澤「程々になぁ」
Aが倒れた時、俺たちはそりゃあ慌てた。
皆で駆け寄って、やれ救急車だスタッフ呼べだ、声も荒げた。
そんな中、阿部ちゃんが勢いよくAを抱き上げたのには目を見張った。
お姫様抱っこなんてする体力あったんだなぁって感心もした。
それからは、病院に行く途中もAがこうしてベッドに落ち着いてからも、ずっとその手を握っている。
時折撫でては握り直して、祈るように額を寄せてはキスをして。
阿部「俺、なんにも気づかなかったな」
深澤「…俺だってそうだよ」
阿部「Aはいつも俺じゃない誰かに相談してる。弱音吐いてる。それにヤキモチ妬いたふりして、本当は甘えてたんだ」
深澤「…」
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藤奈(プロフ) - ﾎﾟﾑプリンさん» コメントありがとうございます。少し更新が滞っておりすみません。年末年始でたくさん更新できたらと考えてますので…！今後も楽しんでいただけると嬉しいです！ (2021年12月28日 16時) (
レス) id: a77d152f7f (このIDを非表示/違反報告)
ﾎﾟﾑプリン(プロフ) - これからも更新楽しみにしています！ (2021年12月27日 20時) (レス) @page20 id: 5cce6819d2 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 作者さん更新大変なのにいつもありがとうです最近寒くなってきてるので風邪とコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年12月9日 17時) (レス) @page13 id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
藤奈(プロフ) - 美紀さん» いつもコメントありがとうございます。ここから寒い日が続きますが、美紀さんもどうぞお身体に気をつけて。 (2021年12月1日 9時) (レス) id: a77d152f7f (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとですコロナに気をつけてくださいね (2021年11月28日 11時) (レス) id: 3abf21e40c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤奈
| 作成日時：2021年11月27日 17時
