愛してるって言って ページ31
□□□
「花火、綺麗ですね」
そう呟く彼女が、俺にとったら花火より何よりずっと綺麗で、咄嗟に言葉を返すことが出来なかった。
「…亮平くん？」
こちらを向いた瞳は、空の光を反射してキラキラと輝いている。
その星を、俺だけのものに出来たら。
「もう、こっち見てないで花火見てくださいよ」
阿部「あぁ…すみません」
「こんなに綺麗なのに…もったいないですよ」
祭りの会場からは少し離れた場所で空を見上げる。
ただ俺が花火を見たのなんて最初の数発で、後はもう、隣にいる彼女に夢中だった。
阿部「Aの方がずっと綺麗だよ」
「、え」
阿部「こんなに綺麗な人が俺の隣にいるなんて、夢みたいだ」
細い手を取って指を絡める。
触れ合う面積は些細なものなのに、これほど心臓が鳴るなんて。
「あ、阿部先生？」
阿部「亮平って呼んでください」
「…亮平、くん」
阿部「うん」
触れた指先も、揺れる瞳も、浅く漏れた吐息さえ、全部を俺のものにしたい。
こんな気持ち初めてなんだよ。
阿部「A」
「…なに？」
阿部「今から、告白…してもいい？」
「、そういうのは聞かなくていいと思いますけど…はい、」
阿部「っ、はぁ」
思いの丈を、ありのまま。
俺の初めては、君の為だけにあるから。
阿部「A…好きだよ。初めて会った時から、ずっと。…俺は、Aと出会えたことで世界が変わった。毎日がキラキラ輝いて、生きるのがうんと楽しくなった。学校で話すのも一緒に出掛けるのも、Aのおかげでたくさんの生徒と親しくなれたのも…どれも本当に幸せなんだ」
顔が見れない。手に汗が滲む。
かっこわるいな、俺。
「…それで？」
阿部「っ、あ、だから…、出来るならこれからも、俺の傍にいてほしい。隣で笑ってほしい。俺の人生、もっとキラキラにしてくれないかな？」
これは、合ってる、のか？
こんな告白って、
「…ふふ、」
阿部「、…A？」
「何だか想像してた告白と違いました」
阿部「う…ごめん、なさい」
「謝らないで」
やっと、目が合う。
彼女の瞳には、先程までとは違う煌めきがあった。
「ねえ、亮平くん」
阿部「…はい」
「想像とは違ったけどね？」
阿部「うん」
「…こんなに温かい告白は、生まれて初めて」
やっぱり君は、花火なんかより、この世の何より、美しい。
「私もすきです」
君だけが、俺の、大切な、
□□□
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 716人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藤奈(プロフ) - 彪冴さん» コメントありがとうございます！こちらのパロディはノリと勢いで書いてますのでテンポの良さなら負けません()登場人物全員ポンコツですがよろしくお願いいたします(^o^)シリーズも引き続きお楽しみくださいませ！ (2021年6月13日 12時) (
レス) id: a9ac3107ed (このIDを非表示/違反報告)
彪冴(プロフ) - 紅一点シリーズのあまふわできゅんとくるお話の流れも物凄く大好きなんですけどこのテンポ感と阿部先生の空回り具合が可愛くて可愛くてもう…終始にやにやしながら読ませていただいてます…かわいい…阿部先生とガチ恋勢がとてもかわいいです…… (2021年6月13日 2時) (レス) id: 18c953141a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藤奈
| 作成日時：2021年6月12日 18時
