はじめまして ページ1
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ここへきて、どれだけ時間が経ったのか。
スマホを楽屋に忘れたことに気づいたのは、もう随分前だった。
Snow Man 阿部亮平様
あ〜〜写真撮りたい。
ていうかこの扉の向こうに阿部くんが？
やばい。その事実だけで正直気を失いそうなほどやばい。
この時間は人通りが少なく、何分もここで固まっている私の姿は誰にも見られることはなかった。
もちろん、室内の彼にも。
そしていざ、扉に手をかけようとした時。
「霧島！おせぇ。何やってんだ」
「…斉木さん」
タイミング最悪、鬼が現れた。
「今から挨拶しようと思ってたのに…」
「お前もう楽屋出て20分だぞ。まだ挨拶してねーの？」
「20分も経ってたんだぁ」
「緊張する気持ちも分かるが早く済ませろよ。言っとくけどお前、暇じゃねえんだぞ」
自分の立場くらい分かってる。
ありがたいことに多忙な自身には20分という時間も割と大切だと言うことも。
でも、
「おい聞いてんのか、って待て！何で泣くんだよ！？」
「うっ…だってぇ」
「だってじゃない！俺何も悪いこと言ってないだろ！」
「…ううう」
「唸るなよ…犬かお前」
「だってえ！」
こっちは緊張してるの！
とてもじゃないけど平常心じゃいられないの！
分かれよこのくそ男！
脳内で出来うる限りの悪態をついて、目の前の男を睨みあげた時だった。
がちゃり、
開いた扉の先に、その人はいた。
阿部「っあ、えっと…すみません、声が聞こえたので」
「……かっこいい、」
阿部さん、はじめまして。
霧島Aです。
阿部「っえ？」
「…霧島、お前たぶん心の声と逆になってる」
「…私今何て言ったんですか？」
「阿部くんかっこいい大好きって言った」
阿部「へ、」
「ちょっと！？本当にそこまで言った！？」
「マジで分かってねーの？お前やばいよ病院行く？」
「黙って？」
阿部「…あの、」
いかん。私はまたいつもの癖で、くそ男とくだらん言い合いをしてしまった。
戸惑う声がする方へ顔を向けたら、もれなく戸惑う顔がある。
あぁでも、そんなお顔も麗しい。
阿部「霧島、Aさんですよね？今日はよろしくお願いします」
「……」
「おい何か言えよ」
「…すきです」
阿部「…は？」
「だからそれ心の声だろ！」
全国のヲタクたち、至急私の心の中へ集合〜！
そして聞いて！
推しが目の前にいて平常心を保てる人、いる？
／推しが天使でつらい
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miku m(プロフ) - もう面白すぎです。恋愛も好きですが、また違う視点で書いてくれて読んでいて笑いがでます。こういう時こそ笑いって必要だと思います。これからも続きを楽しみにしてます🎵 (2022年2月9日 6時) (
レス) id: b2de02ad3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤奈
| 作成日時：2021年3月20日 13時
