皆から愛されてる女の子は特別な妖気使い！ 妖怪学園Y Nとの遭遇 Part13

7話 ページ46

チアキ「なかなか見つかんないっスねぇ…」


貴方「そうだね……」



身体のちょっと変わったところがあれば呼び止めて問い詰める、という行動を繰り返しているジンペイ達の後ろ姿を呑気に見つめるバンド幼馴染組。






？「っしょ…よいしょ……」



すると、1人の女生徒が大量の荷物を背負い、脚をプルプルさせながらこちらに歩いてきた。



？「よi…うわぁっ！」


貴方「わあっ！？」



荷物の重さに体のバランスを崩し、女生徒はAとぶつかった。


2人して地面に倒れる。



チアキ「A！…ちょっ、気を付けろよ」



若干眉を吊り上げて女生徒を睨むチアキ。



？「…いってて〰……ご、ごめんなさい！」


貴方「全然いいよ！私も気付かなくてごめんね？」


？「はい……あぁ〜、もぉ…」



女生徒はAとぶつかった拍子に地面に散乱した荷物を集め始めた。



貴方「大丈夫？」



Aも一緒に女生徒の荷物を拾ってあげる。



？「あっ、ありがとうございます！」


チアキ「………」



めっちゃ渋々といった様子で、チアキも女生徒の荷物を拾った。



チアキ「…やけに荷物多くね？」


？「えっ？」





チアキ「宇宙人だったりして」



ニッと口角を上げて女生徒を茶化した。



？「わたしは天体観測部なんです！


今日はお泊り観測当番で…」



チアキのからかいを一切気にせず、


女生徒は可愛らしく笑ってチアキから荷物を受け取った。





貴方「チアキ君、荷物が多いだけで疑っちゃダメだよ！


ほら、Nビーコンだって全然反応してないだし……」



小声でチアキを叱り、なんの反応も示さないNビーコンを指差す。



貴方「それに、女の子に気を付けろよとかないでしょ？


もっと優しく大丈夫？とかあるじゃん」


チアキ「…わるい、」



2人の会話を露知らず、女生徒がなにかを拾う。


蛇のキーホルダーだ。




？「ッ！？いやぁっ！！」



サッと顔色を悪くしたかと思えば、そのキーホルダーを投げ捨てた。


かしゃん、と音を立てて地面に落っこちる。



チアキ「あ。それボクのだ」



ゆっくり立ち上がり、己のキーホルダーを拾い上げた。



？「すみません、爬虫類苦手で……」


チアキ「……」




屈んだことでパーカーがズれ、背中の鱗が微かに見える。







チアキ「…あっそ」



チアキはまぶたを閉じ、素っ気なく返した。




貴方「………」

8話→←6話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す