ぼくたちの大切なひと。2 (ページ10)

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※いじめ表現あります。
苦手な方は飛ばしてください。

望side

ともが帰ってくるまで1人…。

そう考えると施設にいても学校にいてもくらい気持ちになった。

『おい、どけよ女男』

『まじ邪魔やねんけど、』

『きっも！触んなや！』

悪化するいじめ。

いつもはなんとか耐えてたけど、ともがいないだけでこんなにも辛いものになるとは。

ともは中学生で俺はまだ小学生。
学校が違うんやから朝と帰ってからしか合わへん友達やけど、それでも一緒に笑える人がおるだけで俺の心は救われてた。

けど今はおらへん。

いつ帰ってくるかもわからんし、絶対帰って来るかもわからん。

やばい、泣きそう…

そう思った時にはもう遅く俺の目からは涙がこぼれる。

『うっっわ、泣いてやんのwww』

『まじで女なんじゃねーの？』

『脱がせたれや』

望「いやっ！やめてやっ…！！」

どんなに抵抗して暴れても俺一人の力じゃ数人になんて勝てっこない。

俺の抵抗も虚しくそのまま脱がされ床に倒される。

ここが教室とかじゃなくてトイレでよかった。

げらげらと下品な笑い声が聞こえる中、呑気にこんなことを考えていた。

俺はその日、熱を出してしまい早退した。

次の日学校に行くと、俺の机の上には花瓶が置いてあった。

『あーあー、小瀧死んじゃったな～！』

『さみしいな～』

『まあいてもいなくても変わらへんけどなww』

物を隠されるようになった。
目の前で教科書をビリビリに破られた。
トイレに行くと汚い水をかけられるようになった。

心なんてボロボロ。

正直いって死にたかったし施設に帰るのもしんどかった。

けどそれでも死ななかったのは、ともが絶対帰ってくるって信じてたから。