16 N.past ページ16
望side
突然息が苦しくなってから意識が朦朧として、気づいたらまた気を失っていた。
目を開けると、心配そうな顔をしたともと、知らない男の人。
『あ、起きた。どう?望くん調子いい?』
望「…。」
『あー、ごめんな、急に話しかけられても困るやんな?俺は淳太。この家に住んでる人やで』
望「…。」
淳「望くん、さっき1回起きたんやってね?気付かへんくてごめんな。えーっと、多分今あんまり触られたくないやんな?大丈夫、俺はなんもせえへんから。それよりお腹すいてへん?なんか食べたかったら…望くん?」
淳「望くん、泣いてるん…?」
淳太さんに言われるまで気づかへんかった。
なんで俺こんなにすぐ泣くん…。ほんま恥ずかしい…。
やってな?俺に優してくれてんもん。こんなきたない俺に。
こんなやつとなんて同じ空気だってすいたくないやろ普通。
多分この淳太さんが助けてくれたんや。
とものことやから、あのときおれを助けてからあの男たちと喧嘩したけど、ちっこいともが勝てるはずなくてボロボロに負けたところを淳太さんが拾ってくれたんや…。
望「あ、ありがとうございます…っ…」
淳「ふふ。ええよ。辛かったなぁ、大丈夫、大丈夫。もう忘れてしまい」
望「うぅっ…、う、う、うあああん」
怖くて怖くてどうしようもなかった。もういっそ舌を噛んで死んでやろうかと思った。けど智が来てくれて、助けてくれる人もいて、まだ俺は生きないと、と思った。生きてこの人たちに恩返ししないと、って。
淳「智洋くん。ちょっと望くん見とってあげてくれる?」
ちょっと人を呼んでくる。と淳太さんは行ってしまった。
智と2人。暫くの間沈黙が続いて、俺は口を開く。
望「とも、ありがとう。…あと、さっきは突き飛ばしてごめんな…??」
そういうと智は俺の大好きだったあの笑顔で『ぶじでよかった』って囁いた。
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作者名:ひよこ | 作成日時:2019年11月30日 16時