ぼくたちの大切なひと。2 (ページ15)

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望side

望「ん…っ」

目を覚ますと、俺は知らないベッドの上にいた。

これは施設のベッドでもないし、学校の保健室でもない。
自分の知ってる場所を思い浮かべたが、まったく検討がつかない。

そもそも俺、なんで寝てるんやっけ…。

バサッ！

望「とも…」

急に布団を勢いよくめくられ、見るとともが目に涙をいっぱい溜めてこちらを見ていた。

望「とm…っ」

声をかけようとすると力一杯に抱きしめられ、苦しくなる。なぜかわからないけど暖かい気持ちになった。

そこでふと思い出す。

先程の出来事を。

路地裏に連れ込まれて、俺は、俺は…

望「っふ…あっ…や、」

あかん！ちゃう、ちゃうで。今目の前におるんはともや。あいつらやない、あかん、あかん、あかんって。
おちつけおちつけおちつけ。

望「っはあ、はあ、はあ…ふ、ﾊｱ…」

喉がかわいて痛い。視界が涙で滲む。体が震えて止まらない。ともがいきなり倒れる。なんでや、？あ、俺が押したんか。ちがう。だっておれはきたないから。おちつけおちつけ、おれはきたない、きたない、きたない、きたない…。ともにちかづいたらあかんねん。

まって、ともいかんといて。おれをおいていかんでや…。とも、っ…。

望「ﾊｱ、ﾊｱ、ﾊｱ、と、もっ…！う、うぁ…」

俺がともを避けたくせに、なんで俺が泣いてんねん。
苦しい、苦しい。息できへん。とも、たすけて。
おねがい、いかんでやっ…！

…………。