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情報収集 ページ2

今、私と先輩で追っている案件がある。
標的はとあるヤクザで、あまりに凶悪なため逮捕に踏み込んだ。

横浜を重点的に活動しているらしく、私は先輩と別行動で情報収集することにした。

「一人で無理して捕まえようとするなよ、いいな?」

「はいっ!先輩こそ無茶はなさらず!」

そう言葉を交わし、解散する。

さて、何処から探そうか。
行く宛も無くふらふらと色々な所を見て回る。
山の麓を通りかかったとき、

ガサガサッ

「ー…っだれ?!」

突然山の茂みから葉が擦れる音がした。
咄嗟に叫んでしまった。
すると、茂みからぬっ、と人影が出てきた。

「ワアアアアお化け?!熊?!」

「…何をそんなに驚いているんだ」

瞑っていた目を恐る恐る開けると、そこには軍服を着た男の人が私を不審そうに見ている。
いや、客観的に見ても怪しいのそっちだからね?
しかもよく見ると彼の手には兎が握られていた。

「う、うさちゃん…!」

「…兎がどうかしたか?そんな目で見てもやらんぞ」

「いや要りませんよ!」

はっ…しまった。ついノってしまったが仕事中だった。

コホン、と咳払いをして、私は彼に問い掛けた。

「今、あるヤクザを探しているのです。こんな人なんですけど」

そう言って、頑張って入手した顔写真を彼に見せる。

すると彼は、一瞬困惑したような顔をしたが、すぐに「知らん」と返してきた。

「本当にですか?見たことあるかだけでもいいんです!」

「…さあ、俺はずっとこの山で居たからさっぱりだな」

「…そうですか…」

そう簡単には見つからないか…
私がしょんぼりしていると、彼はぼそ、と呟いた。

「あまり深追いは、しない方が身の為だぞ」

「ー…え?」

私が聞き返した頃には、もう彼は山の奥へと行ってしまっていた。

なんだったんだろう…

私は少し彼の言葉を考え、別にいいか、と次の人を探したのだった。

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くらげ(プロフ) - うわぁあ…すみません、夜中の更新で寝ぼけてました…(言い訳)訂正しておきますね、報告ありがとうございました! (2018年10月12日 23時) (レス) id: 83c8e44be3 (このIDを非表示/違反報告)
千平(プロフ) - 先生視点おまけ4行目、シンジュクの左馬刻じゃなくてヨコハマの、ではないでしょうか? (2018年10月11日 4時) (レス) id: e2b806019f (このIDを非表示/違反報告)
くらげ(プロフ) - 琴葉さん» 確認したところ『佐』になってました…!教えていただきありがとうございます! (2018年9月23日 16時) (レス) id: 83c8e44be3 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉 - 左、馬、刻ですよ (2018年9月23日 12時) (レス) id: cc1af6d8b8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらげ | 作成日時:2018年9月18日 0時

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