僕、ヌナ、ミンソク ページ37
ヌナは夜中に
僕の部屋を訪ねて来なくなった。
バタバタしていたせいで、すっかり病院にかかるのが遅れて風邪が悪化してしまったようだ。
移ったら悪いからと毎晩隣の部屋で咳き込んでいる。
一つ問題が片付くと、それまでやっていたことを放置してしまうのはどうしてだろう。
引っ越し作業は休業状態になっていた。
寝ればいいのになんとなくゲームをやめずに
いたら聞こえてきたヌナの痛々しい咳の音。
昼間はそうでもないのに特に夜が酷いんだ。
中々止まない咳が心配になって様子を見に行くと、ヌナの喉からヒューヒューと変な音がしていた。空気を探すように体勢を変えているヌナを見て真っ青になる。
「、ヌナそれ、喘息じゃないの？！」
どうしよう？
どうしたらいい？
「救急車？！」
喋れないヌナがすぐさま拒否する。
そんな大ごとにしないでってこと？
じゃあ救急で見てくれる病院？
そんなのわかんないどうしよう！
「どうしたらいいの？誰ならわかる？
………ジョンデ？！ヌナ！携帯！
ってごめん、俺がやる！」
さらに大きな咳をして、空気の通り道を広げようとしているヌナを跨いで勝手に操作する。
「ないよ、ない！、あ、あった！
………いや、待って…間違えたかも…」
キム〜、で慌ててかけた番号の主は、
ワンコールもならないうちに出た。
「A？」
「、すいません、間違えちゃったみたいです…」
「ん？Aの携帯じゃない？」
「いや、合ってるんですけど、あ、僕は弟で、」
「ねえ、誰が咳き込んでるの？」
「ヌナが喘息ぽくて、救急車はやだって言うから病院…て思ったんですけど、わからなくて、どうしようって、」
「近くで救急で見てくれるとこ探して折り返すから、すぐに車出せるようにしといて。」
「あ、はい、」
今のはジョンデ、じゃなくて、あの人だ。
「ヌナ、これだけ羽織って、あと財布と鍵と…
泣いたらだめだって…余計苦しくなるよ…」
立てないヌナを抱えて助手席に乗せるとすぐに
電話がかかってきた。
「○○病院、行き方わかる？
Aん家からだと立体くぐって大通りに出てしばらく真っ直ぐ、」
「あ！わかります！」
「よかった。
僕も向かうので。
Aのことお願いします。」
返事をする前に電話が切れて
自分も慌ててハンドルを握った。
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万(プロフ) - 初めまして、万です。素敵な作品でした。普段コメントを書くのが苦手ですが思わず書きたいほどに！表現が素敵で一種の小説本のようでした。これからも頑張って下さい。 (2019年5月8日 18時) (
レス) id: cc237cd121 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - まーさん» まーさん、いつもありがとうございます^ ^ 苦戦しながらも頑張って書いた甲斐がありました…本当にどうもありがとうございます！とても嬉しいです^ ^ (2017年7月30日 21時) (レス) id: b8bc3155f8 (このIDを非表示/違反報告)
まー(プロフ) - とても素敵なお話で、胸が熱くなりました。 (2017年7月30日 14時) (レス) id: e8aee3f1a0 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ﾙｲさん» ルイさん、ありがとうございます。ルイさんの綺麗な言葉でこの作品の価値があがるようです…本当にありがとうございます^ ^ 頑張って書いていてよかったなあと報われました^ ^ (2017年7月23日 9時) (レス) id: b8bc3155f8 (このIDを非表示/違反報告)
ﾙｲ(プロフ) - 完結から大分経ちますが、何度も読み返しては泣いてしまいます。先生の想い出から解き放たれたヒロインは優しい恋人と幸せになれると信じています。きちんとさよなら出来なかったあの夏の呪縛。先生の幸せをひたすら祈ります。すずさんの他作品も本当に大好きです。 (2017年7月23日 3時) (レス) id: f4632540c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すず
| 作成日時：2016年10月22日 2時
